外壁塗装をDIYする時の足場・塗料・費用などの注意点

外壁塗装はリフォームの中でも大掛かりで、安くても60万円程度の費用が発生します。

そのため、費用を削減するためにDIY(do-it-yourself:自分で外壁塗装を行う)で対応できないかと考える方も多くいらっしゃいます

素人がいきなりYouTubeなどを参考に外壁塗装をしても悲惨な仕上がりになることは目に見えています。

ただし、このページで記載する注意点を守ればDIYで最低限の外壁塗装をすることも可能です。

このページでは外壁塗装を素人がDIYする時の注意点をまとめましたので、参考にしていただければと思います。

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外壁塗装をDIYする時の費用目安は30〜50万円程度

外壁塗装をDIYする時の費用目安は30万円~50万円です。

ただし、外壁塗装の費用は使用する塗料と塗装面積に比例するので、30万円~50万円の費用は40坪住宅(塗装面積160㎡程度)にシリコン塗料を施した場合になります。

この費用に塗装前に行う外壁の洗浄で使用する水道代は含まれていませんが水道代は500円~1,000円程度です。

またクラックなどが発生している時に使用するコーキング代も含まれていません。

あくまでもそれほど劣化具合が激しくない一般的な建物の外壁塗装のDIYの費用になります。

ちなみに必要な工程を省いたり、必要な箇所の補修をしないことで、もっと安くDIYで外壁塗装することも可能ですがおすすめしません。

そもそも外壁塗装の目的は外壁保護のためなので見た目だけ繕うだけの外壁塗装では意味がありません。

DIYであっても必要最低限の塗料と補修を行うと40坪住宅では30万円~50万円程度必要になります。

外壁塗装に必要な道具一覧

ローラー
塗装する時に必須なのがローラーです。
外壁塗装用のローラーにはナイロン繊維ローラー、アクリル繊維ローラー、マルチフィラメントローラー、マイクロファイバーローラー、マスチックローラー、デザインローラーとさまざまな種類がありますがDIYでは一番オーソドックスで価格もナイロン繊維ローラーがおすすめです。
サイズはレギュラー、ミドル、スモール、ミニスモールローラーと4タイプありますがスモールタイプが扱いやすくておすすめです。
刷毛(はけ)
刷毛はローラーで塗装しづらい場所(角や端)を塗装する時に使います。
刷毛の種類は寸胴刷毛、鉄骨刷毛、ニス刷毛、目地刷毛とあります。
DIYでの外壁塗装では万能用の筋交いタイプの刷毛(150円程度)が安くておすすめです。
マスキングテープ
配合JQ(W)-650シリーズ(20kg)
塗布量:約0.7kg/㎡
吹圧力:6~7kgf/㎠
施工道具:ジュラク・リシガン口径φ3~4mm
養生シート
配合JQ(W)-650シリーズ(20kg)
塗布量:約0.7kg/㎡
吹圧力:6~7kgf/㎠
施工道具:ジュラク・リシガン口径φ3~4mm

上記の他、あると便利な道具としてスプレーガン・車用、バイク用養生カバー・皮スキ(かわすき)・サンドペーパー・バケツ・ブラシ・洗剤・コーキング材・ヘルメット・作業着・作業靴などの道具があるとDIYでの外壁塗装に便利です。

DIYでの外壁塗装の足場は脚立足場を使う

脚立足場
脚立足場

外壁塗装する時自分の手の届く所以上の箇所は足場を使いますが、DIYでは経費削減のために脚立足場を使う事をおすすめします。

脚立足場とは、同じ高さの脚立を並べて足場板を装着する足場です。

主に内装のリフォームの際に使われる足場ですが、DIYでの外壁塗装でも重宝する足場です。

費用も最低限の足場代のみで済みます。

ただし、脚立足場のデメリットは脚立の高さまでしか塗装することができないことです。

DIYでの外壁塗装は平屋であれば脚立足場で全体的に塗装することができますが、2階以上の建物の場合は1階部部までしか行えないことは肝に命じておきましょう。

もちろん自分で足場を借りてきて組立・解体ができるのであれば単管足場やビケ足場を使用するのが理想ですが、足場の組立は高所での作業になるので素人が行うのは危険ですのでおすすめしません。

1液型の水性塗料はDIYの外壁塗装でも扱いやすいのでおすすめ

外壁塗装で使う塗料比較表
外壁塗装で使う塗料比較表
水性塗料の特徴
  • 乾燥時間が早い
  • 撹拌の手間がない
  • 価格が安い
  • 臭いが少ない(シンナー臭)

DIYで外壁塗装する時の塗料は1液型の水性塗料がおすすめです。

1液型塗料とは、主剤塗料にそのまま希釈剤を混ぜて薄めることで塗装ができる塗料のことです。

2液型塗料と比較すると撹拌(かくはん:塗料をよく混ぜ合わせる事)不足による色ムラなども起きにくく、費用も安いのでDIYに向いている塗料です。

ただし2液型よりも耐久性は低いです。

塗料には油性塗料と水性塗料があります。

水性塗料は、水と樹脂と顔料が含有されていますので、水が蒸発することで塗膜を形成します。

油性塗料は、溶剤と樹脂と顔料が含有されていますので、溶剤が蒸発することで塗膜が形成されます。

水性塗料は乾燥時間も油性塗料と比較すると早く、もしもその日のうちに使いきれなくても保存できます。

そして何より水性塗料は油性塗料より安いので、DIYでの外壁塗装には水性塗料を使う事をおすすめします。

ちなみに外壁塗装で使用する塗料には含まれている樹脂によって耐用年数が変わります。

そして耐用年数が長い(塗膜が強い)塗料は価格も高くなります。

DIYの外壁塗装でそこそこの耐用年数を希望するのであれば耐用年数10年程度のシリコン塗料をおすすめします。

DIYの外壁塗装で軽視されがちな養生について

ペンキが飛び散っている様子
ペンキが飛び散っている様子

外壁塗装の養生(ようじょう)とは、塗装時のペンキ飛び跳ね防止の為に窓枠やシャッター、換気扇、ドアなどに設置するテープやシートになります。

建物近くに自動車、バイク、自転車、盆栽などがある場合も養生します。

養生を怠れば、本来塗装するはずのない箇所までペンキが飛び散り残念な仕上がりとなります。

養生にはマスキングテープ、養生シート、ロールマスカー、ブルーシートなどが使われます。

養生はDIYで外壁塗装する時に軽視されがちですが、仕上がりに大きく影響する大切な作業です。

塗装が必要ないところ、ペンキの飛び散りリスクがある場所は必ず養生するようにしてください。

DIYで外壁塗装する時も工程はしっかり守らないと逆に高くつく

外壁塗装の流れ
外壁塗装の流れ

DIYでは費用面の削減は絶対条件ですが、費用を削減することを第一に考えて必要な工程を省いてはいけません。

例えば、外壁目地部分のコーキングが劣化しているにもかかわらず、コーキング剤をケチってコーキングを施さずに外壁塗装してしまえば、将来的にコーキング劣化部分から雨漏りが発生する可能性が高くなります。

塗装前の汚れ落としで水道代をケチって洗浄しなければ、塗装後にすぐに塗膜は剥がれてしまいます。

塗料代をケチって3回塗りの所を1回しか塗らなくても、塗膜はすぐに剥がれてしまいます。

このように例えDIYであっても外壁塗装にとって必要な工程は必ず守って作業しなければ、塗装後にすぐに剥がれてきて、より見栄えの悪い外壁となります。

そして再度、外壁塗装することになれば、結局業者にお願いしたほうが割安だったということにもなりかねません。

DIYの外壁塗装をおすすめしないパターン

DIYでの外壁塗装は全ての建物におすすめできるものではありません。

以下に紹介するパターンの場合は無理をせずに業者にお願いするようにしましょう。

足場を必要とする2階部分以上の塗装・屋根塗装

建設業における事故の型別 死亡災害発生状況
建設業における事故の型別 死亡災害発生状況

DIYでの外壁塗装は脚立足場を使う事になりますので、2階部分以上の塗装・屋根塗装はできません。

屋根に登って塗装することは可能ですが、素人が屋根で作業する事は危ないので絶対にやめましょう。

厚生労働省の発表では建設業における事故の型別死亡災害発生状況では墜落・転落による事故が最も多い(47%)という結果になっています。

平屋であれば脚立足場で外壁部分を塗装してからはしごで屋根に登って、屋根塗装することもDIYでも可能ですが、2階以上の建物では危ないのでDIYでの外壁塗装はやめましょう。

反対に雨戸、玄関周り、ベランダなどは比較的DIYしやすい箇所です。

劣化があまりに激しい外壁への塗装

劣化があまりに激しい建物への外壁塗装もDIYはおすすめしません。

理由は、塗装前の洗浄・下地調整をかなり入念に行う必要があるためです。

下地調整(したじちょうせい)とは、外壁塗装する前に新塗膜がしっかりと外壁に付着するように汚れ、サビ、旧塗膜などを剥がして綺麗にする作業の事です。

あまりに劣化の激しい外壁の下地調整は職人でも困難で専用の器具(電動サンダーケレン)などを駆使して行われます。

ちなみにそれほど劣化の激しくない外壁は、サンドペーパーやワイヤーブラシなどを使って手作業でも行えます。

単に『外壁塗装』と聞くと、塗料を塗る事だけだと思われがちですが、本当の意味での外壁塗装は外壁の洗浄、下地調整も含めたものになります。

梅雨時期や湿気の多い季節

DIYで外壁塗装する時は梅雨時期や湿気の多い季節、台風時期などは避けるようにしましょう。

外壁塗装は基本的に雨の日にはできません。

雨の日に外壁塗装してしまうと、塗膜と外壁の間に水滴が混入してしまい一度塗装してもすぐに剝がれてしまいます。

湿気が多い6月、9月はDIYで外壁塗装するのは避けておくのが無難です。

また、早朝や夕方は結露も発生します。

当然結露が発生している外壁に塗装する事はできませんので、完全に乾くまで放置する必要があります。

DIYで外壁塗装する所とプロにお願いする所は区別しましょう

外壁塗装DIYの費用目安は?
DIYの費用目安は30〜50万円程度です。
クラックなどの修繕が必要になると追加で費用が発生します。
外壁塗装に必要な道具は?
ローラー、刷毛、マスキングテープ、養生シートは必須な道具です。
さらにスプレーガン・皮スキ(かわすき)・サンドペーパー・バケツ・ブラシ・洗剤・コーキング材・ヘルメット・作業着・作業靴などの道具があるとDIYでの外壁塗装に便利です。
外壁塗装DIYのポイント
  • 脚立足場を使う
  • 1液型の水性塗料を使う
  • 外壁塗装の流れをしっかり守る
  • 2階部分以上の塗装・屋根塗装は行わない
  • 劣化があまりに激しい外壁への塗装は行わない
  • 雨や湿気に注意する

DIYの外壁塗装は、脚立足場で届く範囲であることや雨や湿気などの環境に気を付ければ素人でも可能です。

ただし洗浄、下地調整、塗装、乾燥など全行程を40坪住宅で行うとすればおよそ一か月程度かかってしまうかもしれません。(業者の外壁塗装では10日~14日程度)

その分費用は30万円~50万円程度で済みます。

注意しなければいけないのは、DIYだからと言って適当に下地調整、外壁塗装をしてしまうと数ヵ月で塗膜が剥がれて見るも無残な状況となります。

DIYであってもしっかりと工程を守って外壁塗装することが大切です。

見た目だけ整えるような外壁塗装は、その後頻繁に塗装する事になりますのでDIYのメリットである費用面のメリットもなくなります。

また、2階部分以上の外壁塗装・屋根塗装は転落の危険性があるので絶対にDIYでは行わないようにしましょう。

軒天などの劣化がある2階以上の建物も同様にDIYはおすすめしません。

平屋であれば全ての工程をDIYで行えることもありますが、2階以上の建物の場合はDIYで行う場所とプロにお願いするところを分けて考えた方が結果的に安く上がる事もあります。

見積もりをもらう段階で、どこが劣化しているか診断してもらった上でDIYの箇所を考えることをおすすめします。

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