外壁塗装業者が使う足場代無料はウソ⁉費用相場の計算方法と種類

外壁塗装の価格のうちおよそ10%~15%を占めているのが足場代になります。

そんな足場代がキャンペーンなどで無料となっているケースを時々目にしますが、足場代無料には業者側の意図もしっかりとあることをよく理解しておきましょう。

足場代無料が出来る業者のカラクリと無料にできる業者の仕組みをご紹介します。

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足場代無料が出来る業者はそもそもの価格が高い

外壁塗装業者の中で足場代無料を掲げて集客を行っている所があります。

施主からしたらお得感がありますから心が揺らいでしまいますが、適正価格かどうかは冷静な判断が必要です。

一般的に外壁塗装の利益率は20%~50%の範囲に定められている所が多いです。

例えば、外壁塗装の費用が100万円だった場合、業者の利益は20万円~50万円ということですね。

足場代無料が単純に、この業者の利益の中から出ていくものであればかなり利益を圧迫するものだということが分かるかと思います。

利益率20%程度で外壁塗装を行っている業者であれば赤字になるかもしれません。

もうお分かりかと思いますが、足場代無料で見積もりを提示できる業者はそもそもの利益率が高い、いわゆる相場よりも価格が高い業者である可能性が非常に高いということが言えるわけです。

外壁塗装の費用の内訳

品名規格・寸法数量単価金額
架設足場組払い単管足場190㎡800152,000円
養生費ロールマスカー・ブルーシート130㎡30039,000円
高圧洗浄代ガソリン式160㎡15024,000円
下塗り1回水性シーラー130㎡40052,000円
上塗り2回水性シリコン130㎡1,400182,000円
諸経費一般管理費30,000円
479,000円
消費税(10%)47,900円
合計526,900円

上記の内訳を見てもらっても分かるかと思いますが、外壁塗装の費用でも足場代に占める割合が大きいのが分かります。

実際にはこの費用に加えて、付帯部(軒天・樋・破風板・ベランダなど)の塗装が加わることになるかと思いますが、それでも足場代が占める割合は全体価格の15%~20%になるでしょう。

業者利益の中から足場代を無料にすることがいかに大変かが分かりますね。

ちなみに足場代は、足場架面積×平米単価で求めることができます。

足場架面積とは、実際に足場をかける面積のことで建物の外周(プラス8m)×高さになります。

足場の種類と単価

外壁塗装に使う足場の種類と費用相場【計算方法アリ】
一般的な家庭の足場代の相場
足場代早見表を見る

※足場単価800円での計算になります。

延べ床面積 足場代
20坪 124,000円~135,200円
25坪 136,000円~147,200円
30坪 148,000円~159,200円
35坪 160,000円~171,200円
40坪 172,000円~183,200円
45坪 184,000円~195,200円
50坪 196,000円~207,200円
55坪 208,000円~219,200円
60坪 220,000円~231,200円
65坪 232000円~243,200円
70坪 244,000円~255,200円
75坪 256,000円~267,200円
80坪 268,000円~279,200円
85坪 280,000円~291,200円
90坪 292,000円~303,200円
95坪 304,000円~315,200円
100坪 316,000円~327,200円

一口に足場と言っても、その種類はとても多くあり、特徴や費用もバラバラです。

足場は外壁塗装にとって、職人の保護、塗装の仕上がり具合にかなり影響を及ぼす大切な役割を担っています。

一般的な家庭であれば、足場の費用相場は20万円~30万円の範囲になります

業者からの提案で足場についても適切に説明があるようだと信用性がありますね。

業者によっては『足場代無料』をうたっている所もありますが、よく聞いてみると労働安全法に違反している足場だったり、足場代が塗装代に紛れていたりしているケースもあります。

ちなみに、都心部などの狭小地に建つ建物では足場の設置スペースが取れない所もありますが、お隣の敷地を借りたり足場を使わないロープアクセス工法などもあります。

一般住宅における外壁塗装で使用されている、代表的な足場は以下の3種類になります。

  • 単管足場
  • くさび緊結式足場
  • 脚立足場

他にも、移動式や吊り足場、枠組み(ビティ)足場などもありますが一般住宅の外壁塗装で使用されることはほとんどありません。

外壁塗装の価格の10%~15%を占めているのが足場代になります。

ただ、足場の種類によって価格も変わってくるので、外壁塗装の費用を削減する為にも予算に合わせて足場を選ぶのも手です。

単管足場(700円~1,000円/㎡)

単管足場
単管足場

単管足場(たんかんあしば)とは、鉄パイプとクランプ(金具)をかみ合わせ、ボルトを締めて接合する足場になります。

鋼管を主体とした足場で本足場、棚足場、一側足場などに使われます。

一般住宅ではよく用いられる足場で、建物と建物の間が比較的狭い場所でも足場組みができ比較的安価な足場という特徴があります。

単管足場の相場は、1㎡あたり700円~1,000円になります

外壁塗装で使用される足場の中では安い足場になりますが、基本的に鉄パイプ2本(抱き足場)の上に足を乗せて塗装を行う事になりますので、安全性に劣るというデメリットもあります。

安全面を考慮した単管に足場板を装着する単管ブランケット足場もあります。

足場組立の際にはボルトを締めて固定させていくので騒音は少ないです。

ただ、1972年に労働安全法の施行(作業床の幅40㎝以上、床材間のすき間3㎝以下、転落のおそれのある開口部等への手すりの設置など)されたことや、より安全な足場が登場したことなどによる背景で単管足場による施工は徐々に減少しています。

単管足場は都心部などの建物間隔が狭い現場で施工する建物によっては重宝される足場になりますが、今は職人さん達からも不評です。

くさび緊結式足場(800円~1,000円/㎡)

ビケ足場 (くさび足場)
ビケ足場 (くさび足場)

くさび緊結式足場 (くさびきんけつあしば)とは、鉄パイプをくさびのようにハンマーでジョイントさせる足場になります。

ハンマー一つで組み立てることができる簡便性によるコストの削減と、簡易的な組立でしっかりとした足場が組めるので工期の短縮効果がのぞめます。

その反面、組み立ての際にはハンマーで叩く音や職人の声掛けが必要になるので、単管足場に比べてある程度の騒音が発生するというデメリットがあります。

くさび緊結式足場の相場は、1㎡あたり800円~1,000円になります

現在、一般住宅の外壁塗装で用いられる足場はくさび緊結式足場が主流になります。

ちなみに、くさび緊結式足場は通称ビケ足場とも呼ばれています。

脚立足場(360円/㎡)

脚立足場
脚立足場

脚立足場とは、同じ高さの脚立を並べて足場板を装着する足場です。

2つ以上の脚立に、直接足場板を架けわたすものと、多桁・多列に配置した脚立に大引・根太を架けわたし、その上に足場板敷いて棚足場とするものがあります。

最近では、脚立と足場板が作業台も出ています。

脚立足場は、平屋などで用いられることがありますが、基本的には脚立を並べて足場板を装着するだけなので費用はかなり安いです。

しかし、あまりに簡易的な組み立てなので安全性には劣ります。

脚立を均一に並べることや、脚立同士を離しすぎないなどの注意点があります。

脚立足場の相場は、1㎡あたり360円になります

足場費用の計算方法

足場費用の計算方法イメージ図
足場費用の計算方法イメージ図
足場費用の計算式
足場架面積×平米単価

外壁塗装の見積もりでは、必ず足場の費用も計上されています。

足場架面積とは、実際に足場をかける面積のことで建物の外周(プラス8m)×高さで求められます。

プラス8mは足場は建物と少し離れた所に設置する為です。

《くさび緊結式足場の計算例》

  • 外周40m
  • 高さ6m
  • くさび緊結式足場単価1,000円

(40m+8m)×6m=288㎡(足場架面積)

288㎡×1,000円=288,000円(足場代)

だいたい35坪あたりの2階建ての建物だと外周40m、高さ6m程度になりますので一つの目安にしてもらえればと思います。

外壁塗装で足場の必要性

平成31年/令和元年事故の型別労働災害発生状況円グラフ
平成31年/令和元年事故の型別労働災害発生状況円グラフ

足場とは、建物周囲に一本一本の鉄パイプをジョイントさせて建物を施工・作業する際に用いる簡単な建築物です

外壁塗装の場合には、平屋の場合には脚立だけで足場を組まないケースもありますが、建物外壁の人が手を伸ばしても届かない部分や屋根塗装などの時に足場組みが行われます。

ちなみに平成31年1月から令和元年12月までの建築作業における死亡災害の約26%(死傷者216人)が高所からの『墜落・転落』によることだったと厚生労働省からも発表されており、そういった災害を防止する目的でも足場は使用されていています。

現状、平屋の建物が少なくなってきているので、外壁塗装や屋根塗装のほとんどのケースで足場を組んで塗装が行われています。

ちなみに狭小地(きょうしょうち)に建てられた建物では敷地内に足場を設置するスペースがないこともあります。

このような場合にはお隣の敷地を借りたりロープアクセス工法を使うなどして対応します。

では足場を組まずに外壁塗装を行ったら塗装費用を抑えることができるのでしょうか?

答えはイエスですが、現在の建物は2階建てが多いこともあってほぼ全てのケースで足場は組まれることになります。

これは人が手を伸ばしても届かない箇所の塗装には足場が必要になるという作業性向上の観点と、職人の足元の確保による安全性の確保によるものです。

急勾配(屋根傾斜6寸以上)屋根の塗装や足場が組めない狭いエリアでは、ロープアクセス工法と言われる屋上からロープを使って塗装する方法もありますが、作業性はかなり悪いです。

現状、外壁塗装では足場を組むかロープアクセス工法によって塗装するかの二択になりますが、ロープアクセス工法では作業性が悪く工期も長くなることから業者も扱っていない所がほとんどです。

ただ、平屋の場合では足場を組まずに脚立だけで塗装が行われることもあります。

2階建ての建物であれば足場は必ず必要になると言ってもよいでしょう。

足場代が他の工程に上乗せされている可能性がある

樹脂相場単価(1㎡)
アクリル塗料1,400~1,600円
ウレタン塗料1,700~2,200円
シリコン塗料2,300~3,000円
ラジカル制御型塗料2,500~3,000円
フッ素塗料3,800~4,800円
光触媒・無機系塗料4,500~5,500円
高圧洗浄費100円~300円
養生費300~500円

足場代無料でよく見られるのが、足場代が他の工程に上乗せされているケースです。

一見すると足場代が無料なのでお得な印象ではありますが、その他の塗装代や高圧洗浄費、諸経費、養生費の価格が相場よりも高くなっていて全体の価格で見るとそう安くはなっていないことがあります。

足場代だけでなく全体の価格で判断することが大切になります。

上記の各工程における平均的な相場をよく確認しておくことをおすすめします。

足場を安くできる業者もある

足場代が外壁塗装業者にとって大切な利益となっていることがお分かりになっていただけたかと思いますが、それでも企業努力によって足場代を安く設定してくれるところもあります。

そもそも塗装業者は足場を以下の4つの方法によって用意しています。

  1. 業者自身が足場を持っていて、自社職人を使ってで組む
  2. 業者が足場屋から足場をリースして、自社職人を使って組む
  3. 業者が足場屋さんに頼んで組んでもらう
  4. 業者が足場屋さんに頼んで、足場屋さんがリースして組んでもらう

企業努力によって足場代を安くできるのは1の自社の足場を自社の職人を使って組むケースのみになります。

塗装業者にとって足場はなくてはならない設備ではありますが、自社で保有するとなると保管スペースが別途必要になります。

また、足場も自社で組むとなると、2階建ての建物の外壁塗装をする際には、足場の組立て等作業主任者の資格が必要になりますから(足場の組立て等作業主任者)、資格取得費や人員の確保も必要になるわけです。

このような理由から足場はリースして使う業者が多いです。

反対に足場を保有している業者はある程度の仕事量も確保できることの証明にもなります。

足場代無料は難しくても安く設定している所もありますから、自社で足場を保有している業者であれば足場代が安くなっている可能性があります。

足場組立時間は5時間~8時間

足場の組立時間は、一般的な建物(30坪~40坪住宅)で5時間~8時間程度で完了します

組立に必要な職人の数は2~3人になります。

外壁塗装では施工の一日目に足場の組立が行われる事になりますので、一日目は足場の組立だけで終わる事が多くなります。

その為、朝から『カンカン』と言った騒音が一日中近隣に響くことになります。

ちなみに足場の解体時間は組立時間の約半分の2時間30分~4時間で完了します。

足場組立時に一番多いのは近隣からの騒音トラブル

最近の主流がくさび緊結式足場になることから、足場組立時には近隣からのクレームが入る事もあります。

近隣トラブルは、その後の付き合いもあることから必ず避けたいトラブルになります。

トラブルを避けるためにも、外壁塗装前には近所への挨拶周りは必須になります。

実は外壁塗装の近隣トラブルの原因のほとんどは挨拶回りをないがしろにしたことにあります。

クレームが入らなくても騒音が発生することに変わりはありませんので、近所への挨拶回りは必ず行うようにしましょう。

足場に取り付けられる飛散防止ネットも重要な役割

飛散防止ネット
飛散防止ネット

外壁塗装の際には足場と一緒に飛散防止ネットも装着されます。

飛散防止ネット(ひさんぼうしねっと)とは、高圧洗浄を行う際の水しぶきや塗料などが近隣へ及ばないように、建物をメッシュ状のシートで覆うネットになります。

外部からのホコリが外壁に付着することを防ぐ役割も担っています。

飛散防止ネットの相場は、1㎡あたり100円~200円になります

業者によっては、風で吹き飛ばされそうなペラペラな飛散防止ネットや、やたらと汚い飛散防止ネットを用意してきたり、建物全体を覆わずが塗装面だけに飛散防止ネットを施していたり、最悪の場合には飛散防止ネットを使わない業者もいます。

飛散防止ネットは近隣へのマナー、外壁の仕上がりに大きく影響するので必ず確認するようにしましょう。

もちろん、飛散防止ネットを適切に使わない業者は論外ですので早急に別業者に相談しましょう。

屋根部には親綱の設置もする

屋根工事で使う親綱
屋根工事で使う親綱

屋根での塗装の際には、足場に親綱(おやつな)と言われる命綱を設置します。

冒頭でもご紹介したように、建設現場における事故で一番多いのは落下による事故になります。

そうした現状を踏まえて職人の安全保護の観点から、現在の屋根現場では労働安全衛生法に基づき親綱が義務化されています。

第521条事業者は、高さが2メートル以上の個所で作業を行う場合において、労働者に安全帯を使用させるときは、安全帯等を安全に取り付けるための設備等を設けなければならない。

労働安全衛生法

通常、屋根部の足場は、親綱の設置の為に数本長く伸びていて、そこに親綱を連結させて職人の落下防止に務めています。

また、その親綱にも緊張器(きんちょうき)が付属されて、後ろへの落下にも強く改良が加わっています。

足場代無料でもしっかりと費用の比較はしましょう

足場代無料や足場代キャンペーンなどと言った釣り文句は今ではかなり見られるようになりましたが、今回ご紹介したカラクリを理解してしっかりと業者の価格の見極めをするようにしましょう。

中には本当に地域の実績作りの為にキャンペーンを行っている所もありますから、安易に怪しいと判断せずに全体の価格から判断してください。

また、モニター価格として足場代を無料としている業者もあるので注意しましょう。

外壁塗装における業者の利益率は20%~50%です。

足場代無料の提案を受けたら、このあたりを確認するようにしましょう。

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