外壁塗装を冬の季節(12月、1月、2月、3月)に行う際の注意点

外壁塗装にとって冬(12月、1月、2月、3月)はかなり条件の厳しい季節になります。

条件が厳しいとは、塗膜性能を保った塗装に関する施工面、日照時間が短い為の作業時間確保の面、低温による職人の仕事面からになります。

そのため、外壁塗装の業界では冬は閑散期とされています。

ただ、外壁塗装にとってふさわしくない季節塗装ということではなく、これから紹介する4つの注意点をしっかりと確認することで冬でもしっかりとした塗装は可能です。

さらに冬に外壁塗装を行うメリットも存在します。

大切なのは季節ではなく、その季節にあった施工を行う事になりますので、今回紹介する冬に外壁塗装を行う注意点を頭に入れて冬の外壁塗装を検討してみてください。

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冬に外壁塗装する際の注意点

無理な工期を組まない

外壁塗装の施工方法と流れまとめ
外壁塗装の施工方法と流れ

冬は日照時間が短いので、どうしても一日の作業量は少なくなり他の季節と比べて工期が2~3日長くなります。

一般的な外壁塗装ではおよそ10日~14日程度かかります。

また、冬は気温が低いので塗料の粘度も高くなり 伸びが悪くなるので塗膜を厚く塗ることになります。

厚く塗るぶん、乾燥の時間が長くなることも冬の工期が伸びる原因にもなります。

消費者からしたら外壁塗装は早く終わらせてほしいと思うものですが、無理な工期で塗装を行えば十分な塗膜の乾燥が行えずに早期の塗膜剥がれにも繋がってしまいます。

外壁塗装の流れを初めから説明すると以下の順で9工程になります。

  1. 足場・飛散防止ネットの設置
  2. サッシ、エアコンの室外機、設備等の養生
  3. 外壁の高圧洗浄
  4. 素地調整
  5. 下塗り
  6. 中塗り
  7. 上塗り
  8. 確認・検品
  9. 足場解体・清掃

それぞれの工程で1日というのが基本的な考え方ですが、高圧洗浄後の乾燥、下塗り・中塗りの乾燥については塗膜の劣化(気泡・剥がれ・膨れ)にも繋がる大切な工程になりますので、特に冬は余裕を持った工期設定が必要になります。

ちなみに工期の長さは価格には影響しません。

あくまでも外壁塗装の価格は塗装を施す外壁の面積によって決まってきますのでご安心ください。

天気・気温に注意する

冬の外壁塗装では天気や気温にも注意が必要です。(特に1月・2月)

雨の日には塗膜の密着を水分が妨害してしまう可能性があるので作業できませんが、同じ理由で雪の日にも作業はできません。

雨や雪が降ってきたら作業は中断されますし、雪に関しては次の日にも残ることがありますから、雪下ろしのみという日もあります。

また日本建築学会の資料でも塗料の硬化には気温5℃以上、湿度85%未満という定めがあります。

塗装場所の気温が5℃未満、相対湿度が85%以上もしくは換気が適切でなく結露する等によって塗料の乾燥に不適切な場合は、原則として塗装作業に着手しない。

やむをえず塗装をする場合には、採暖や換気等の養生を行う。

建築工事標準仕様書・同解説 JASS18 塗装工事

気温が低いと結露が発生しやすくなりますので、湿った状態の上から塗装を施せば塗膜の早期剥がれに繋がります。

結露とは、空気中の水蒸気が冷やされることで空気中に含み切れなくなり、飽和した分が水として表れる現象です。

結露には『表面結露(室内の内装表面で起きる結露)』と『内部結露(壁の内部で起きる結露)』の2つがあり、外壁塗装で懸念されるのは内部結露になります。

外壁では9.6℃以下の場所で結露が発生すると言われています。

塗装開始時間は夜露に注意する

外壁に付着した夜露
外壁に付着した夜露

外壁塗装は基本的に朝8時くらいから17時くらいで行われます。

朝早すぎても、遅すぎても近隣の方に迷惑回避の為と職人さんの残業時間削減の為の2点の観点から作業の時間は決められています。

ただ、冬は夜露(よつゆ)の影響もあり、午前中に作業ができないこともあります。

夜露とは、夜の間におりる露のことで、冬は夕方から気温が急激に下がるので夜露が発生しやすい時期になります。

夜露が発生すれば外壁に水滴が付着している状態になりますから、十分な乾燥が必要になるわけです。

冬の塗装開始時間は、夜露の状態を見て決める必要がありますので、職人の見極めがキモになります。

業者によっては仕事を早く終わらせようと夜露の状況を加味せずに塗装をし、トラブルへと発展します。

必ず余裕を持った工期を組んでくれる業者にお願いすることをおすすめします。

年末年始は業者が休みになる

年末年始は業者は休みにある所が多いので、年をまたぐ外壁塗装になると足場がかかったままになります。

業者にもよりますが12月29~1月5日程度まで休みになる所が多いです。

正月に親戚などを呼ぶ場合は足場が気になるかもしれません。

また、窓が養生されているので開けられないなどの生活の支障期間が長くなるというデメリットもあります。

冬に外壁塗装を行うメリット

冬に外壁塗装を行うメリット
  • 業者によってはキャンペーン価格で行ってくれる
  • 優良業者のスケージュールを抑えやすい
  • 晴れの日が多いので工期通りに進みやすい

ここまで冬における塗装の注意点を紹介してきましたが、冬に塗装を行うメリットも存在します。

冒頭でもご説明したように冬は塗装業者にとって閑散期となりますので、集客の為にキャンペーンを行っている所もあり、相場よりも安くお得に塗装が行える可能性があります。

他の季節に比較して冬の工期は少し長くなりますが、お得に外壁塗装が行えるのであれば検討の余地ありですよね。

また、人気の業者も冬の仕事量は減っていますので、こちらの希望通りに塗装を行ってくれるのもメリットになります。

外壁塗装では約2週間ほどの時間がかかるわけですから人気の業者になれば数ヵ月先までスケジュールがいっぱいという事もあります。

そして、冬は西高東低の気圧配置の為に太平洋側では晴天が多く最初に設定したスケジュール通りに施工が進むことが多いです。

以上が冬に塗装を行うメリットですが、消費者からしたら冬は決して悪い季節でもないという事が言えます。

冬の外壁塗装は特に業者の善し悪しが分かれる

冬は工期が長くなり価格は変わらない(もしくは安い)ので業者からしたら、デメリットになるわけです。

そのため、手抜き工事でしっかりと夜露の乾燥を行わなかったり、冬も他の季節同様に作業をしてしまったりして工期の短縮を行ったりします。

冬は塗料が固くなり上手く伸びてくれないので塗装しづらい季節となります。

また、冬は業者にとって過酷な環境です。

寒さで手足がしびれることもあります。

これは夏でも同じことが言えますが、このような過酷な環境の中でこそ、注意を払った作業が必要になります。

注意を怠れば事故も起きますし、施工ミス(はみ出し、塗料間違い、作業スピード低下からくる工期の延長など)も発生しやすくなります。

冬は注意することが多い季節だからこそ業者の質が問われる季節です。

冬の外壁塗装では特に地元で実績のある優良業者へ相談することをおすすめします。

地域によっては冬の外壁塗装には細心の注意が必要

基本的に外壁塗装は一年を通して行えますが、それでも地域によっては細心の注意が必要な地域もあります。

総務省統計局の【統計でみる都道府県のすがた2018】によると、2016年の月の最低気温がマイナスの都道府県は以下になり、冬の塗装では特に注意が必要な地域になります。

  1. 北海道(-5.9℃)
  2. 青森県(-3.0℃)
  3. 岩手県(-3.6℃)
  4. 宮城県(-0.8℃)
  5. 秋田県(-1.7℃)
  6. 山形県(-2.1℃)
  7. 福島県(-0.6℃)
  8. 茨城県(-1.0℃)
  9. 栃木県(-1.6℃)
  10. 群馬県(-0.2℃)
  11. 埼玉県(-0.5℃)
  12. 山梨県(-2.3℃)
  13. 長野県(-3.8℃)

塗料は、気温5℃以上、湿度85%未満でなければ硬化しませんし、昼間との寒暖差が激しければ夜露の可能性も出てきます。

冬の最低気温がマイナスになるような地域は、その地域で実績のある業者としっかりと打ち合わせをしてから外壁塗装を行うようにしましょう。

冬の外壁塗装は特に業者選定が大切

冬の外壁塗装の注意点は?
冬は外壁塗装にとって厳しい季節です。
工期・天気・気温・夜露などに注意する必要があります。
冬の外壁塗装のメリットは?
塗装業者の閑散期のためキャンペーンで外壁塗装できる可能性があります。
優良業者のスケージュールを抑えやすいといったメリットもあります。

冬は確かに外壁塗装にとって厳しい季節ではありますが、注意点をしっかりと守ってくれる業者であれば問題なく行ってもらえます。

そればかりか他の季節よりもお得に塗装してもらえる可能性もあります。

反対に夜露や天候、雪などの影響も加味して施工を行っていくことになるので、実績のない業者だと塗膜の不具合の可能性が増すことになります。

冬は天気・気温・湿度などが影響しやすい季節です。

少し工期が伸びたとしても職人を急かすことなく、正確な手順で外壁塗装してもらう事に努めてもらいましょう。

冬に外壁塗装を検討される方は特に業者の選定には十分に注意することをおすすめします。

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