記事サマリー
外壁塗装の流れ(工程表)
外壁塗装の流れを工程表で説明すると以下の順で7工程です。
- 足場・飛散防止ネットの設置
- 外壁の高圧洗浄
- サッシ、エアコンの室外機、設備等の養生
- 素地調整
- 外壁塗装
- 確認・検品
- 足場解体・清掃
この7工程を順番通りに、全て適切に行って、初めて外壁塗装によるリフォームが適切に完了したと言えます。
それでは、それぞれの工程を順を追って説明していきます。
足場・飛散防止ネットの設置
外壁塗装で、一番最初に行う作業は足場の設置です。
一般的には職員の人数は2~3人です。
職人2~3人で足場と高圧洗浄で使用する、飛散防止ネットを設置します。
職人たちの安全、高所作業、近隣へのクレーム対策のために足場・飛散防止ネットを組みます。
例外として、平屋のお宅や部分塗装などのケースでは足場を設置しないこともありますが、現在普及している2階建ての一般家庭では足場を設置します。
足場設置期間はおおむね1日で完了しますが、長くても2日で設置は完了します。
足場の種類もさまざまあり、それによって費用も変わってきます。
足場組みでは、職人のかけ声やパイプを組む時に騒音があります。
外壁の高圧洗浄
カビなどのしつこい汚れは表面がきれいでも下地に根が張っているので、洗剤を入れたバイオ洗浄などで根を張ったカビを落として行きます。
高圧洗浄でしっかりと汚れを落とさないと、ペンキを塗っても剥がれに繋がってしまいます。
また、高圧洗浄後には適切な間隔を開けて塗装の工程を行わないと、塗膜の膨れなどが起きて仕上がりが美しくなくなるため、24時間から48時間時間を開けてしっかりと乾燥させることが大切です。
冬場や梅雨時期などの湿気が多い時期と夏場では乾燥に必要な時間も変わってきます。
また、業者が使う高圧洗浄機はまさに業務用と言った威力のもので、スペックとしては14.7MPa(メガパスカル)以上、または150kgf/㎠以上の水圧のものです。(テレビショッピングなどで紹介している高圧洗浄機は8~12MPa)
超高圧洗浄で外壁の汚れをしっかりととることが目的になりますので、業者が使うスペックも確認しておくと安心ですね。
また、高圧洗浄でも騒音が発生します。
素地調整
素地調整は、塗料を密着させるために、素地面から汚れ・付着物などを除去し平滑化するもの(ケレン作業)と、欠損箇所を補填して平滑化するもの(パテ処理)とに大別されます。
外壁塗装後に発生するトラブルの約80%が以上が素地処理不良が原因だと言われています。
ヒビ割れや亀裂が起きている外壁であれば丁寧なコーキング処理が必要になりますし、ヒビ割れの種類によってもコーキングを使い分けて処理していくことです。
クラックをちゃんと補修しておかないと、塗り直した後もひび割れが再発してしまうことがあります。
素地調整で丸1日を要します。
トラブルの原因が素地調整が大半なため、外壁塗装にとっては一番大切な作業だと言われています。
また付帯部分とされている、軒天、雨樋、破風・鼻隠し、笠木、雨戸・戸袋、水切り、シャッター、配管に関しても同様に素地調整をしていくことです。
塗装する面に対して塗料の密着を良くするために行う作業全般を言います。
主に金属・木材・窯業(ようぎょう)系サイディングに施しますが、コンクリートやモルタルに施すケレン作業もあります。
サッシ、エアコンの室外機、設備等の養生
養生は、仕上がりに直結する大切な工程ですし、設備保護の観点からも必要な作業になります。
ただ、職人の性格も出やすい工程でもありますので、注意が必要です。
また、ロールマスカーで窓を覆ってしまうので息苦しく感じる方もいます。
そのような方には、風通しを良くする養生の仕方もあるので業者と相談してみるとよいでしょう。
外壁塗装
塗装前の下準備はここまでで、ようやく塗装段階に入っていきます。
外壁塗装では通常、下塗り⇒中塗り⇒上塗りの3回塗装が一般的な塗装回数になります。
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下塗り
下塗りで外壁に塗料のつなぎをよくする接着剤であるシーラーを塗ります。
シーラーには無色透明のものと色付きのものがあり、旧外壁色をリセットしたり、外壁本体(下地)への塗装が浸透してしまうことを役割があります。
温度によりますが、油性シーラーであれば30〜60分程度、水性シーラーなら3〜4時間程度乾燥させます。
下塗りのデキは塗装工程の中で塗膜の耐久性を左右する重要な工程です。
中塗り
上塗りを補強するために、厚みを持たせた下地を作るため中塗りを塗装します。
厚みがでることで、色落ちしてまだら状になってしまうことを防ぎ美観を保つ効果があります。
上塗り
中塗りとの間隔は、環境にもよりますが約4時間ほど乾燥させ、その後、問題がなければ仕上げの最後の塗料を塗ります。
このように、下塗り、中塗り、上塗りと3回塗りをすることで、塗装の強度を強くすることができます。
一般的には3回塗りが基本ですが、4回塗りとしてさらに強度を高めることもできます。
確認・検品
全ての塗装の終了したら仕上がりの状態を職人が目で見て一カ所一カ所確認していきます。
この時は、施主も立ち会い、気になる部分があったら修正してもらうようにしましょう。
中塗りと上塗りで同じ色を使っている業者などは、悪気はなくても塗り残しが発生してしまっているケースもあります。
乾燥具合で若干色が変わっていますので、よく確認するようにしましょう。
満足のいく仕上がりでない場合は、業者と話し合い改めて修正の依頼をかけることです。
大幅な修正には別途費用がかかるケースもあります。
足場解体・清掃
塗装のOKをもらったら足場の解体と周辺の掃除をし、引き渡しです。
建物面積や塗り回数などによって工期は変わってきますが、だいたい着工から10日~14日で引き渡しです。
足場の解体でも職人のかけ声やパイプを外す騒音が発生します。
業者が帰ってから、塗料が入ったペットボトルが忘れてあるケースがよくあります。
一応、業者に連絡を入れますが、たいていの場合補修用としていただけます。
塗料にもよりますが、フタを締めておけば1~2年間は保管することができます。
いらない場合には、業者に連絡して引き取ってもらうようにしましょう。
外壁塗装では1日1工程が基本の考え方
外壁塗装の工期日数の目安は1日1工程です。
というより、一般的な住宅の場合2~3人の職人で作業を行いますので1日1工程が限度になるからという理由です。
業者のスケジュール調整のために、職人が応援に駆けつけて倍の人数で作業に当たればそれだけ早く終わるという事ですね。
ただ、季節や天候などの影響で作業を途中で切りあげる必要がある時には、工期がずれ込むこともあります。
また、絶対に早く行えない工程としては塗装になります。
塗料によって適切な乾燥時間を置かないと、下地に上手く密着してくれないので早期の塗膜剥がれの原因となってしまいます。
よって外壁塗装では1日1工程が基本の工期になりますが、塗装以外の工程(足場の組立・撤去)で短縮することも可能です。
この流れは外壁塗装の面積が広くても狭くても基本的には変わりません。
高圧洗浄以外の工程ではエアコンの使用も可能
業者によりますが、理論的には高圧洗浄以外の工程ではエアコンの使用も可能です。
室外機はもともと外で使える仕様になっていますので少々の水で故障することはありませんが、高圧洗浄では大量の水を使うのでエアコンを使うと故障するリスクが発生するためです。
ただ、エアコンの使用に関しては業者側の配慮が必要です。
主な配慮としては、エアコンの室外機周辺から仕上げてくれることや作業中にエアコン使用の声掛けを適宜してくれるなどがあります。
また打ち合わせ段階でエアコン使用の相談をすることでエアコンの室外機にメッシュ素材の特殊な養生カバーをしてくれることもあります。
特に夏、冬はエアコンがないと建物の中で密閉されてしまうので過ごしにくくなります。
契約前に業者にエアコン使用の相談をしておくことをおすすめします。
工期が遅れる原因
外壁塗装では工期が遅れる主な原因として3つのことが考えられます。
なるべくスケジュール通りに終わらせてほしい方などは参考にしてください。
悪天候
外壁塗装は雨の日には作業はできません。
これは、塗膜性能の確保のためで、塗料が乾く前に雨水などが混入してしまうと上手く下地と密着してくれません。
また、朝方に雨が降っていなくても昼頃に雨が降る確率が高い日なども作業を行わないこともあります。
また、作業中に強風の影響で作業が中断されることもあります。
これは職人の安全確保のためと塗膜にホコリやチリの混入を防ぐことが目的ですが、作業の中断によって工期が明日にずれ込んで工期が遅れることがあります。
湿度が高い
外壁塗装はあまりに湿度が高い日には作業は行えません。
塗膜の硬化には条件があり、湿度が85%以上、気温5℃以下では硬化が行われません。
塗装場所の気温が5℃未満、もしくは湿度85%以上である場合、または換気が十分でなく結露が考えられる場合、塗装は避けてください。
パーフェクトトップ仕様書
日本の季節で言えば、湿度の高い梅雨時期(6月頃)や日本海側の冬時期(1月〜3月)、気温5℃以下の日では全国の冬時期が対象です。
この時期には、工期が遅れる可能性が高いという事ですね。
そのため、外壁塗装にとって6月、1~3月は閑散期とされています。
地震
避けられない工期の遅れとしては地震などの災害があります。
特に大震災などが発生すれば、材料の手配なども満足にできなくなりますので、2~3週間ほど遅れることもあります。
また、大震災とまではいかなくても震度4~5程度の地震でも余震の影響を加味して作業が中断することもあります。
ただ、地震によって工期が遅れることはかなり稀なケースで、震度6以上のいわゆる大震災とされているケースを除いて工期は遅れないと見ていいでしょう。
屋根塗装の流れ(工程表)
- 塗装のつやがなくなってきている。
- 色落ちしている。
- 屋根が白っぽくなってきている(チョーキング現象)。
- 屋根が黒ずんでいる、赤茶色になっている(コケやカビの発生)。
- 塗装が剥がれ、屋根材の素地が見えている。
屋根は紫外線や雨風に直接さらされるため傷みやすく、また意識して定期的に点検をしなければ、劣化に気づくことが難しい箇所です。
屋根塗装の流れを初めから説明すると以下の順で7工程です。
- 屋根の洗浄
- 乾燥させる
- 劣化部を補修する
- 養生する
- 下塗り(シーラー)
- 中塗り
- 上塗り
この7工程を順番通りに、全て適切に行って初めて屋根塗装によるリフォームが完了したと言えます。
それでは、それぞれの工程を説明していきます。
なお、屋根塗装と一緒に外壁の塗装も一緒に行うと足場代などが節約できます。
屋根の洗浄
汚れが付着していると、塗装をしてもすぐ剥がれてしまうので、屋根材が重なっている箇所や棟部(むねぶ:屋根の頭頂部の棟)、隅部(すみぶ:棟部から軒先にかかる棟)は特に念入りに洗浄します。
高圧洗浄で洗い落とせない部分は、ワイヤーブラシなどを使って洗い落とします。
洗浄工程は最低でも2回は行い、目視で何度も確認します。
洗浄時は水しぶきがかなり飛びますので、近所に迷惑にならないよう気を付けて行います。
乾燥させる
洗浄後は乾燥させますが、乾燥が不十分だと塗料にムラが出たり接着が悪くなるので十分に自然乾燥させます。
塗料や屋根の状態、環境、気候にもよりますが、乾燥時間はだいたい24時間以上が必要です。
空気が乾燥している春、秋の晴天時では24時間程度で済みますが、梅雨時や12月~2月の冬時期には湿気も多くなるので乾燥時間は長くなります。
劣化部を補修する
サビを落としたり、隙間が開いてしまった部分やひび割れが起きている屋根にはコーキングで埋めたり、補修しきれない部分などは交換します。
スレート屋根の場合は、スレートとスレートの間に差し込むタスペーサーを取り付けます。
タスペーサーは、スレートとスレートの間を塗料が塞いでしまうと毛細管現象で雨水が上に上ってしまうため、隙間を確保する役目をする部材です。
養生する
塗装しない部分(鼻隠しや破風板、雨樋など)に塗料が付かないようにマスキングテープや新聞紙、ビニールやポリシートでカバーします。
場所によっては、隣家の住宅や車などにもビニールシートを被せるなどの養生も必要です。
なお、外壁塗装期間中に車を移動する必要がある項目があります。
車移動が必要な場合の駐車場などについては、別ページで詳しく紹介していますのでそちらのページをご覧ください。
下塗り(シーラー)
シーラーとは、塗料のつなぎ(密着性)をよくするための塗料タイプの接着材です。
痛みが激しい場合は、このシーラー塗りを2回行い、よくシーラーを浸透させてから中塗りに移ります。
下塗りもよく乾燥させないと、早期の塗装の剥げにつながります。
乾燥時間はだいたい3時間以上が必要です。
中塗り
最初に、細かい部分や塗り残しが出そうな部分を小型ローラーで塗装を行い、平面部で広いところは大型ローラーで一気に塗ります。
塗装した面を踏んで足跡を付けないように、塗装旬は屋根頂上から下がりながら塗っていき、塗料は容器の底に沈殿していると色ムラの原因になるため、しっかりと塗料容器の中でかき混ぜてから塗装していきます。
上塗り
仕上げ塗りは、中塗りから2時間以上経過してから行います。
塗り残しがないかよく確認をして完了です。
塗料や業者によっては、上塗りを2回行うところもあります。
あまりに早く終わったら手抜き工事の疑いアリ
外壁塗装では適切な工期を守って作業することが塗膜の耐久性や仕上がりに大きく影響するため、あまりに早く作業が完了してしまうのは業者の手抜き工事の可能性も十分に考えられます。
業者側からしたら工期が伸びることはそれだけ人件費がかかることを意味し、早く現場を終わらせて次の現場と言う風に動きたいというのが本音です。
ですので、悪徳業者では高圧洗浄後の乾燥や塗膜の乾燥時間を守らずに作業を行ったり、結露や夜露などの現象を無視して朝っぱらから夜遅くまで作業して工期の短縮に務めるところもあります。
適切な作業を行わなかったら塗膜の早期劣化に繋がり、最悪の場合2~3年で塗膜が剥がれてくることもあります。
外壁塗装の場合では、どんなに早くても6日ほどの日数は必要になり、それ以上早い工期であれば手抜き工事の疑いがありますのでよく業者に確認するようにしましょう。
屋根塗装も一緒に行う際は原則、屋根から先に塗装に取り掛かる
外壁塗装と一緒に屋根塗装を行う事で足場代の節約や業者との打ち合わせ時間削減効果が見込めますので、一緒に行う方が増えています。
その際は原則、屋根から先に塗装することです。
屋根から先に取り掛かることについては特に決まりもなく、単純に上から先に取り掛かるのが日本の慣習の様のようになっています。
ただ、2階建てでも1階に屋根がある場合では外壁から先に塗装していくこともあります。
また、外壁にコーキング工事が含まれているなら、コーキングの乾燥を待つ間に屋根塗装に取り掛かることもあります。
外壁塗装・屋根塗装の流れをよく確認しましょう
外壁塗装の1日1工程が基本です。
季節や天候などの影響で作業を途中で切りあげる必要がある時には、工期がずれ込むこともあります。
契約前に業者にエアコン使用の相談をしておくことをおすすめします。
- 足場・飛散防止ネットの設置
- 外壁の高圧洗浄
- サッシ、エアコンの室外機、設備等の養生
- 素地調整
- 外壁塗装(下塗り・中塗り・上塗り)
- 確認・検品
- 足場解体・清掃
- 足場・飛散防止ネットの設置
- 屋根洗浄
- 屋根の乾燥
- 劣化部の補修
- 養生
- 屋根塗装(下塗り・中塗り・上塗り)
- 確認・検品
- 足場解体・清掃
外壁塗装・屋根塗装の流れを工程ごとに説明しましたが、外壁塗装・屋根塗装においてこの流れを手順通り守ることがとても大切です。
外壁塗装でトラブルになる原因ではこの流れやそれぞれの時間(高圧洗浄の乾燥時間や塗料の乾燥時間など)を守らないことで引き起こされるものが少なくありません。
この流れの中で、律義な方であれば業者への差し入れを気にする方もいらっしゃいますが、もしも差し入れをするのであれば工事が始まる前にまとめて職人渡してあげるのがおすすめです。
できれば、工程ごとに業者から写真をもらってきちんと作業を行ってくれているか確認するとよいでしょう。
特に塗り回数に関しては、誤魔化す悪徳業者も存在するので、中塗りと上塗りの色を変えてもらって、それぞれで写真をもらうとよいでしょう。
ちなみに、屋根塗装を一緒にお願いした際は原則、屋根から先に取り掛かる事です。(その日の天候によっては手順も変わることです。)
上記の流れを無視した外壁塗装の工程表をもらったら、しっかりと指摘するようにしてください。
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