外壁塗装の色選びはとても難しく失敗の声も多いです。
ただし失敗パターンはそれほど多くありませんので、失敗例を確認しておくだけで外壁塗装の色選びに失敗する可能性をグッと下げられます。
このページでは外壁塗装の色選びのよくある失敗例として6つのパターンを紹介します。
外壁塗装の色選びの参考にご覧ください。
色選びは外壁塗装において、楽しい作業でもありますが、その反面とても頭を悩まさせる作業でもあります。色選びでは、自分の好みの色に加えてその年の流行色などを取り入れて検討するとスムーズに決まることがあります。
別ページでは、当サイトが外壁塗装を行った384人にアンケートして人気の色を算出しましたので、色選びの参考にしていただければと思います。
記事サマリー
仕上がりがイメージと違った失敗
外壁塗装の色選びで一番多い失敗として仕上がりがイメージと違ったというものがあります。
仕上がりがイメージと違うと言った失敗は、綿密にカラーシミュレーションを行っても起こります。
仕上がりイメージと違うと言った失敗がなぜ起きるかというと、色の面積効果が関係しています。
色の面積効果とは、面積の大きさによって色の見え方が変わることを言います。
同じ色でも小さい面積で見た時と大きい面積で見た時では色の見え方が変わります。
大きな面積は小さな面積で見た時よりも薄く明るく感じます。
上記画像も同じ色を使っていますが、右側の四角形の方が明るく見えるはずです。
そのため、打ち合わせ段階で色見本帳を使って色を確認し、それをパソコンモニターなどでカラーシミュレーションしても、実際に大きな面積の外壁へ塗装するとどうしても明るすぎると感じてしまってイメージと違う結果となってしまいます。
一般的に色選びでは、色見本帳と言われるカラーサンプルを使います。
しかし、この色見本帳には膨大な数の色が掲載されているため、一つ一つの色は小さく掲載されています。
例えば、日本塗料工業会の色見本帳では654色(G版)が掲載されています。
なので色の面積効果によって、色見本帳でいいなと感じて色を決定しても、外壁に塗装されると薄く明るく感じるため、イメージとは違った仕上がりになってしまうわけです。
色見本帳でだいたい4~5色の希望を出して、後日業者になるべく大きな板に色を塗装してもらって再度確認するようにしましょう。
色の面積効果を頭に入れて、実際に使う色は少々濃い色を選ぶくらいでちょうどよくなります。
奇抜すぎる色を選んでしまって失敗
奇抜すぎる色を選んでしまう事で失敗してしまうケースもあります。
奇抜すぎる色とは赤、青、黄色のいわゆる原色です。
原色で外壁塗装してしまうと色の面積効果もあって、仕上がってみるとかなり目がチカチカします。
ポイントは自分の好きな色を選ぶのではなく落ち着いた色をベースにすることです。
落ち着いた色とは、ベージュ・グレー・ブラウンなどの彩度の低い色です。
彩度とは、色の鮮やかさの度合いのことです。
原色を選ぶ際も彩度を低くして、薄い赤を選ぶなどすると失敗を避けられるのでおすすめです。
色の組み合わせを間違えて失敗
外壁塗装で人気のツートンカラー(2色塗り・バイカラー)では色の組み合わせを間違えて失敗するケースもあります。
ツートンカラーの典型的な失敗例は、ちぐはぐな色を使ってしまう事です。
例えば、オレンジとブルーをツートンカラーで組み合わせれば失敗します。
これはオレンジは暖色系ですがブルーは寒色系の色だからですね。
ツートンカラーにする時の配色の参考には、PCCSの色相環(しきそうかん)を使う事をおすすめしています。
PCCSは、1964年に一般財団法人日本色彩研究所によって開発された、画期的なカラーシステムで、色彩の調和を体系化してまとめたものです。
色相環とは、色相を環状に配置したもので、色を体系化する時に用いる方法の一つですが、ツートンカラーの配色では配色の近い色同士を選ぶ、もしくは反対側の色を選ぶと失敗した配色にはなりません。
オレンジ系の明るいツートンカラーを希望であれば、6:r0と7:ryを使えば無難なツートンカラーに仕上がります。
色相環の反対側の色を使う場合は差し色として使うのがおすすめです。
色の組み合わせで失敗しないように色相環を使って色を選びましょう。
汚れが目立つ色で外壁塗装してしまって失敗
- ホワイト
- ブラック
- 赤
- 青
汚れが目立つ色で外壁塗装してしまい失敗したと感じる方も多いです。
汚れが目立つ色とは、ホワイト・ブラック・赤・青が典型的な色です。
以外に思われるかもしれませんが、ブラック・赤・青などの濃い色も汚れが目立ちます。
ブラック・赤・青は黄砂やカビなどの汚れが目立つ傾向にあります。
これらの色が好きだからと言って外壁塗装してしまうと、数年後に汚れが気になるようになるので注意が必要です。
反対にグレーやクリーム系の色は汚れが目立ちにくいので外壁塗装におすすめの色で人気もあります。
色あせする色を選んでしまって失敗
色あせしやすい色を選んでしまって失敗するケースもあります。
色あせしやすい色の代表はブルーやグリーンです。
ブルーやグリーンには化学染料(石油などを元にして化学的に合成された染料)が使われています。
鮮やかな色を出す化学染料ですが酸性雨の影響などで劣化しやすいといったデメリットがあります。
早いと2~3年で色あせが発生して建物全体が古めかしくなってしまいます。
ブルーやグリーンを外壁塗装に使う場合には、ラジカル塗料を使うと色あせを防ぐことができます。
ラジカル塗料とは、塗膜の劣化原因であるラジカルの発生を抑制する酸化チタンと光安定剤(HALS)が含まれている塗料のことを言います。
ラジカル塗料を使う事で、塗膜の劣化原因であるラジカルを抑制する効果が期待できるので色あせも防ぐことができます。
近隣や景観を気にせず外壁塗装してしまって失敗
近隣や周囲の景観を気にせず好きな色を選んでしまって失敗するケースもあります。
例えば、近隣の建物がベージュ系が多かった場合、その中にグリーンの建物があったらとても目立ちます。
このように近隣を無視した色を選んでしまうと、とても目立って気になってきます。
また景観法(国の良好な景観の形成を促進するための法律)を気にしなければいけない地域もあります。
例えば、奈良県の橿原市、桜井市、生駒市、斑鳩町、明日香村は景観計画区域内と指定されているので、景観色彩ガイドラインに沿って外壁塗装する色を選ぶ必要があります。
景観法に違反すると、懲役刑または罰金に処せられる場合もあります。
ちなみに漫画家の楳図かずおさんは赤と白の奇抜な家『まことちゃんハウス』を建設しましたが、近隣に住む住人に周囲の景観を悪化させているとして訴訟が起こされています。
あまりに周囲から逸脱した色を選ぶとこのようなケースもある事は頭にいれておきましょう。
外壁塗装する際は近隣や景観にも気を使うことをおすすめします。
外壁塗装の色選び失敗まとめ
仕上がりイメージと違う原因は、色の面積効果が関係しています。
原色で外壁塗装してしまうと目がチカチカしますので注意が必要です。
一般的に、業者との打ち合わせでは室内で行われることになりますが、室内で色見本帳を確認しても照明器具の光源の種類によって色の見え方が変わってしまうため、イメージ通りに仕上がらないということが発生します。
これを防ぐために、業者からの希望色をできるだけ大きく塗装してもらった板を外に出て実際に外壁に当てて、太陽光の下で色を確認すると仕上がりと近い色味を確認することができるので失敗確率が下がります。
その際には、外壁の一つの面だけでなくいろいろな面に当てて色を確認するようにしてください。
太陽光の当たり方によって色の見え方は変わってきます。
また、お隣のお宅の外壁とも比較して、どう見えるかなども確認するとよいでしょう。
この時に、イメージと違うと感じたら遠慮なく業者に伝えるようにしましょう。
業者も色選びでは時間がかかることを理解してくれていますので、再度希望色を伝えて大きな板にカラーサンプルを作ってもらうようにしてください。
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