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遮熱塗料とは

遮熱塗料(しゃねつとりょう)とは、壁や屋根に塗ることで太陽熱や外気の熱を反射させ建物内への熱の浸透率を下げる効果がある塗料です。
正式には、高日射反射率塗料(工業規格JIS K5675)と言います。
特に熱伝導率の高い金属製の屋根(ガルバリウム鋼板、トタン)には効果が高く、工場や倉庫などでよく使われています。
太陽光は、『紫外線』『可視光線』『赤外線』に分類されますが、熱を与えるのは赤外線になります。
遮熱塗料は、この赤外線を反射して壁や屋根への吸収率が下げてくれるわけです。
屋根や外壁以外でも、最近はヒートアイランド現象の対策として道路の塗装などにも遮熱塗料が大活躍しています。
では、瓦屋根やセメント系の屋根が多い一般住宅では遮熱塗料がどの程度の効果があるのか、実際の使用者の評判と一緒にそのメカニズム、主な遮熱塗料をご紹介します。
遮熱塗料の効果
- 高い遮熱効果による室内の暑さ対策効果
- エアコンの稼働を抑えることができる省エネ効果
- 屋根が高温化しないので屋根材の耐久性向上効果
遮熱塗料を使う事で得られる効果としては上記3点があります。
遮熱塗料は一般的な塗料と比較して価格は2~3割高いですが、そのぶん上記3点の効果が期待できるので結果的にはコストパフォーマンスにも優れています。
ただ、遮熱塗料によって夏場でも部屋が涼しいなどではなく、体感温度としては2~3℃下がったと感じる方が多いようです。
業者によっては遮熱塗料の効果を誇大広告的な表現ですすめてくるところもありますが、あくまでも遮熱塗料は外気の熱の侵入を抑制させるもので、完全にシャットアウトさせることはできませんので、遮熱塗料に過度な期待を持つのはやめましょう。
それでも、例えばエアコンの温度を1度下げるのは消費電力的には10%上昇すると言われていることからも、体感温度で2~3℃下がったと感じることで実質消費電力を30%削減しているとも捉えることができるわけです。
またエアコンの稼働率を下げることで二酸化炭素の排出量を減らすなどの環境面でもプラスの効果があります。
遮熱塗料を使う事で、室内温度上昇させる効果がありますが、それに付帯して経済的にも環境的にも効果があるということですね。
遮熱塗料使用者の評判
今日は36℃くらいの暑さだったけど、ベランダ裸足でも歩けたから遮熱塗料の威力凄いと思ったし、これから絶対必要だと思った。
屋根の遮熱塗料で日本ペイントのサーモアイってのがあるんだけど、去年それを塗ってたら凍結で北面だけ本塗りが出来なかったから今やってたんだけど、下塗りの所も素足で作業が出来た。
本塗りが終わってる南面の方が下塗りの北面より温度が低く、全然熱くない。
遮熱塗料のガイナが凄い!今、屋根塗装してもらってるけどまだ一度塗りの時点で二階に上がっても耐えられる温度!塗る前は滝の様に汗が流れてたのに!

外壁塗装で使われる塗料は数百種類あります。
その中から自宅に合った塗料を選ぶのは至難の業です。
間違えて外壁材に不適合な塗料を選べば早期の剥がれなどの不具合の元にも繋がります。
しかし一括見積りサイト『ヌリカエ』を使えば、16の選択式の質問に答えるだけで自宅に合った塗料を選んでくれます。
また、自宅に合った塗料だけでなくお住いの助成金の確認もできるので、時間と手間の削減の意味でもおすすめです。
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色はクールレベルの高い白・ベージュがおすすめ

遮熱塗料を使うのであれば使用する色のクールレベルにも気をつけるとより遮熱の効果を得ることができます。
クールレベルとは、色を日射反射率で分類分けしたものになります。
遮熱塗料でのおすすめの色は白やベージュになります。
反対に黒や紺などの明度の低い色はクールレベルが低く遮熱塗料の効果を最大に生かすことはできません。
とはいえ外壁塗装にとって色選びはとても大切になりますので、クールレベルのみで選ぶのではなく建物全体の印象も加味しながら選ぶようにしましょう。
ちなみに 当サイトが行った 外壁塗装人気色アンケートによると、人気の色はベージュ・ホワイト・グレーがTOP3という結果になりました。
遮熱塗料のメカニズム
遮熱塗料は、熱の原因の一つである太陽光の赤外線を反射させることで、屋根や外壁の温度上昇を抑制する働きがありますが、そのメカニズムについてご紹介します。
赤外線を反射させる働きがあるのは、遮熱塗料に含まれている顔料や樹脂に日射反射率の高い原料を使用しているためです。
遮熱塗料に含まれている代表的な原料に中空セラミックバルーンがあります。
中空セラミックバルーンは、球体のプリズム効果により高い日射反射率が期待できる原料ですが、一つ一つの粒子の中は空洞になっているため赤外線が吸収されても、さらに空洞内で反射の効果が期待できる二重カバーになっています。
また、物質は熱エネルギーを受けたら高い熱エネルギーから低い熱エネルギーへ電磁波の形で熱が伝わる性質があります。
この熱が伝わる性質の事を放射熱伝達といいますが、放射熱の度合いは物体の放射率によって変わり、放射率が高い物体ほど赤外線を反射することができるので、温度を下げることができます。
中空セラミックバルーンには、放射率も高い物質なので効率的に赤外線による熱エネルギーをシャットアウトすることができるというわけです。
遮熱と断熱の違い
遮熱塗料とよく混同されてしまう塗料に断熱塗料(だんねつとりょう)があります。
遮熱と断熱の違いを分かりやすく言えば、遮熱とは外気の熱を建物内部へ浸透させることを抑制させることで、断熱とは建物内部の熱を外に逃がさないことを意味します。
なので主に、遮熱は夏場に活躍し、断熱は冬場に活躍する機能になります。
断熱塗料の他には、『断熱材』や『断熱工法』などがあり、建物には様々な断熱の工夫がされています。
ただ、断熱塗料の中には遮熱効果が期待できるものもあるので、遮熱と断熱がごっちゃになりがちです。
冬場の遮熱塗料の建物環境対策

夏場における遮熱塗料の効果は室内温度が抑制できるのでとてもありがたいですが、では寒い冬場はどうなのかと言いますと、もちろん冬場も遮熱の効果があるので、温度の上昇を抑制してしまいます。
ただ、夏場と冬場では太陽が建物に当たる入射角が変わります。
夏場は、太陽の南中高度が高いので日差しは真上から当たることになります。
冬場は、南中高度が低いので斜めから日差しが当たることになります。
この太陽の入射角の違いが何を意味するかと言えば、建物の温度上昇箇所が変わるということです。
夏場は主に屋根から、冬場は主に外壁が主な温度上昇箇所になります。
その為、冬場の室内温度が気になる方は外壁には遮熱塗料を使わず屋根のみに使用することで快適に過ごすことができます。
建物の断熱性が高いのであれば外壁にも遮熱塗料を施して中の温度を保つのもアリですが、断熱性の低い建物の際には外壁への遮熱塗料の使用には注意が必要です。
助成金が支給される自治体も多い
高反射率塗装(屋根又は屋上)
次の条件を全て満たすもの
[1] JIS K5675(屋根用高日射反射率塗料)適合品又は日射反射率(全波長領域)50%以上を有する塗料を用いていること
[2]居室上の屋根、屋上部分について施工すること(屋根立ち上がり部分を含む)
新宿区ホームページ
全ての自治体で対象となっているわけではありませんが遮熱塗料による塗装は、自治体からの助成金対象となっているケースも多くあります。
遮熱塗料として認められる塗料としては、高日射反射率50%以上の塗料が対象となるケースが多くなっています。
高日射反射率塗料とは、太陽光に含まれる『赤外線』『可視光線』『赤外線』を反射させることが期待できる塗料のことを指します。
なお、詳しい助成金に関する条件は別ページでまとめましたので、そちらのページをご覧ください。
主な遮熱塗料比較表
メーカー | 日射反射率(白) | 価格(1㎡) | 耐用年数 | 適用素材 | |
キルコート | キルコートジャパン | 90%以上 | 4,920円 | 15年程度 |
|
ミラクール | ミラクール | 90%以上 | 5,090円~7,220円 | 10年~15年 |
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アレスクールSi | 関西ペイント | 70% | 3,600円~3,700円 | 12年 |
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サーモアイ4F | 日本ペイント | 91% | 3,700円〜4,000円 | 12~15年 |
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シャネツロック | ロックペイント | 50%以上 | 2,200円~2,500円 | 10年 |
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クールタイトSi | エスケー化研 | 80%以上 | 2,400円~2,800円 | 6年~8年 |
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アドグリーンコート®GL | 日本中央研究所 | 86.8% | 3,500円~3,800円 | 8年~12年 | 下地材として専用プライマーを使えばほぼ全ての屋根材に適応可能 |
おすすめ ガイナ | 日進産業 | 90% | 5,000~5,500円 | 14年 |
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レガリアGT | 一水化成 | 94% | 7,500円~8,200円 | 20年~30年 |
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遮熱塗料は一般住宅にもおすすめ
遮熱塗料は、顔料や樹脂の働きによって太陽光の赤外線を反射させることで建物の温度上昇を抑制させることができる塗料です。
その効果も快適に過ごせるだけでなく、経済面でも環境面でも効果があります。
最近は一般家庭でも遮熱塗料を採用する家庭が増えてきましたね。
ただ、使い方を間違えると冬には建物内が寒いという状況をも作ってしまうことになりますので、現在の建物の構造をよく理解して遮熱塗料を使うようにしましょう。
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