外壁塗装をクリア(無色透明)にする際の条件・注意点まとめ

クリア塗装(外壁塗装)とは

クリア塗装とは、無色透明な塗料(仕上げ材)のことです

一般的な塗料は、『顔料』『樹脂』『添加剤』『溶剤』で構成されていて、塗料の色は顔料を調整することによって決められています。

しかし、クリア塗装で使われる塗料には顔料が含まれていないので塗料が透明質となっています。

また、クリア塗料には顔料が含まれていないので塗膜の経年劣化によるチョーキング(白亜化現象) が起きないなどのメリットもあります。

主にサイディング外壁に重宝される塗装方法ですが、クリア塗装を行う為の条件や注意点、そもそもクリア塗装で行えない外壁などもあるので確認しておきましょう。

クリア塗装をする為の条件

クリア塗装を外壁に施すためには以下の2つの条件を満たしている必要があります。

  • 新築から10年未満であること
  • 外壁に著しい劣化具合がないこと

クリア塗装は無色透明な仕上がり具合になるので、下地になる外壁が綺麗なことがクリア塗装をする条件となります。

外壁の劣化具合によりますが、目安は新築から10年前後であればクリア塗装を施すことが可能です。

もちろん外壁の劣化状態によれば新築から15年経過した外壁でもクリア塗装は可能ですが、できるだけ劣化していない外壁での塗装が理想です。

外壁の劣化症状の目安としては年数以外には見た目でも判断がつきます。

分かりやすい劣化の症状だと、壁に藻やカビがびっしりと張られている状態ではクリア塗装は中々厳しいと言えるでしょう。

特に建物の北側外壁にコケ・カビなどが付着しているようでしたらクリア塗装はお勧めしません。

また、海に沿岸地域では潮風の影響から、一般的な屋根よりも劣化していくのでメンテナンスのタイミングにも注意が必要です。

光触媒や無機・フッ素の表面コーティングされた建物には塗装できない

クリア塗装は、前回の塗装(新築時に使った塗料)で光触媒や無機・フッ素などの親水性に優れた塗料を使っていると塗装する事ができません

これらの塗料は塗膜の耐久性にも優れていて10年程度経過していていも塗膜が全然劣化していない可能性があります。

またこれからの塗料は親水性にも優れているので汚れを雨水で落とすセルフクリーニングの効果が期待できるなど、性能も優れています。

ただ、クリア塗装をこれからの上から塗ってしまうと、うまく密着してくれないので、早期の塗膜の剥がれに繋がってしまいます。

どうしても、光触媒や無機・フッ素などの上からクリア塗装をしたいと考えるならこれらに対応できる下塗り塗料(SGコート)もあるので、専用の下塗り塗料を使うようにしましょう。

クリア塗装の注意点

上記でクリア塗装をする際の条件を紹介しましたが、注意点は2点ほどあります。

  • シーリングは塗装出来ない
  • クラックが起きている外壁は補修面が見える

クリア塗装では、サイディングのつなぎ目に使用しているシーリングを塗装することはできません

これはノンブリード型のシーリング材は塗料との相性が悪いため、うまく密着してくれないのが原因です。

またノンブリード型のシーリング材の上から塗装してしまうと黒ずんでしまうことになり見た目も悪くなります。

ちなみに、クリア塗料であるパワーアシストクリアー(水谷ペイント)の製品仕様では下記のようになっています。

シーリング面への塗装は、シーリング材の種類・使用条件により塗膜汚染・剥離・収縮・割れ等の不具合を起こすことがある為、基本的には行わないでください。

パワーアシストクリアー仕様全般第16項

クリア塗装を施す際には、シーリング材の打替え工事やテープなどでシーリングを養生してから塗装する必要があります。

また、既にクラック(ひび割れ)が起きている外壁ではコーキングなどで補修をしてからの塗装になりますが、クリア塗装は無色透明な為、補修箇所が見えてしまって見栄えが悪くなります。

クラックが起きてしまっている外壁にクリア塗装をするポイントとしては、コーキング処理を施して、一度綺麗に塗装をした上から上塗りとしてクリアに塗装することになります。

この場合当然、塗り回数が多くなる事になりますので、価格は少々高くなります。

このようにクラックへの対応力には弱い性質があるので、モルタルやコンクリートなどの外壁材にはあまり適さない塗料になります。

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クリア塗料の種類

クリア塗料のつやの出方イメージ画像
クリア塗料のつやの出方イメージ画像

クリア塗料は顔料が含まれていないだけで一般的な塗料と樹脂グレードによる分類は変わりません。

そのため、シリコンクリア、フッ素クリア、無機クリアなどと呼ばれます。

一般的な塗料のつやの出方はつや消し・3分つや・5分つや・7分つや・つやありの5種類からつやの出方を選ぶことができますが、クリア塗料では、つやありタイプのもので3分つやからになります。

最近では、つや消しのクリア塗料も開発されていますが、まだ一般的には普及しておらず実績的にも少ない為おすすめはしません。

外壁の状態によってクリア塗装を検討しましょう

クリア塗装する上での注意点まとめ
  • 新築から10年未満の建物であること
  • 外壁に著しい劣化がないこと
  • 前回光触媒・無機・フッ素で塗装された面には塗装できない
  • シーリング部には塗装が行えない

現在の外壁デザインが気に入っている場合、そのデザインを生かして建物を保護出来るのでクリア塗装は人気がありますが、注意点(シーリングは塗装出来ない、クラック補修が見える)をしっかりと意識して塗装する必要があります。

また業者によっては知識が乏しく、相性の悪い外壁(モルタル、コンクリート)にクリア塗装をすすめてきたり、シーリング材へも塗装してしまったりします。

現在の外壁の状態と相談して、状態が良いようであったらクリア塗装を施すとよいでしょう。。

なお、知識不足の業者に任せればトラブルへと発展してしまう可能性がある塗料でもあります。

トラブルの前に、実績のある業者でまずは説明を聞いてみることをおすすめします。

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