記事サマリー
スレート屋根の特徴
スレート屋根は、粘土板岩に加工材を混ぜて作られた瓦で耐久性と価格の観点からコストパフォーマンスに良い瓦として日本でも人気の瓦になります。
また施工もしやすいのでさまざまな屋根の形に適用できたり、カラーが豊富に選べるという点も人気の理由です。
その反面、飛来物による割れには弱いという特徴もあります。
今、日本で人気のスレートは屋根は素材別に以下の3つになります。
- 天然スレート(粘土板岩(ねんどばんがん)を加工した素材)
- 薄型化粧スレート(セメントに繊維素材を混ぜた素材)
- 平波スレート(セメントと補強繊維を混ぜた素材)
このうち、一般住宅に人気があるのは、天然スレートと薄型化粧スレートになります。
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スレート屋根の劣化症状
スレート屋根は1枚あたりが薄くて軽く住宅にも優しいですが、粘土系瓦(いぶし瓦、練込瓦、素焼瓦など)と比べると耐久性に劣る為、定期的な屋根塗装による手直しが必要になります。
定期的な屋根塗装を疎かにしてしまうと以下の様な劣化症状が出てくることがあります。
- 乾燥による割れ
- 経年劣化による白い変色
- コケ・カビが大量に発生する
建物のイメージは外壁も大切ですが、案外屋根によって左右されてしまうものです。
屋根が綺麗だと建物が綺麗に見えるものです。
塗装による手直しを怠ると、屋根がどんどん劣化して屋根の割れから雨水が浸入して雨漏りの原因にもなります。
スレート屋根ではだいたい7~10年程度の間隔で塗装によるメンテナンスは欠かさず行うようにしましょう。
特に海に沿岸地域では潮風の影響から、一般的な屋根よりも劣化していくのでメンテナンスのタイミングにも注意が必要です。
スレート屋根のリフォーム方法
スレート屋根のリフォームの方法は塗装が主になりますが、それ以外にも以下の2つがあります。
- 葺き替え工事
- カバー工法
7~10年という感覚で定期的に屋根塗装を行っていてれば、基本的には塗装によってリフォームは完了しますが、塗装による手直しを疎かにしていると、劣化が進んで塗装では保護できずに、葺き替え工事やカバー工事へとリフォーム規模が大きくなることになります。
葺き替え工事とは、屋根の一部ではなく屋根の下地から表面までを丸ごと新品へと取り替える工事です。
カバー工法とは、スレート屋根の上から新しい屋根を被せてしまうリフォーム方法です。
スレート屋根リフォーム比較表
スレート屋根は塗装、葺き替え工事、カバー工法という3つのリフォーム方法があるわけですが、それぞれにメリットデメリットがありますので比較表にまとめましたので参考にどうぞ。
メリット | デメリット | |
塗装 |
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葺き替え工事 |
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カバー工法 |
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スレート屋根一部のリフォーム方法
全体的な劣化は進んでいないけど、部分的に瓦が割れている箇所がある場合には、割れているスレート屋根だけを取り除いて新しいスレートと差し替える工事を行います。
どうしても、台風などの強風時には飛来物によってスレート屋根が割れてしまう事故が起こりやすいです。
瓦の割れはスレート屋根だけに限りませんが、スレート屋根では特に割れのリスクが高いので、部分的な補修も頭に入れておくとよいですね。
ちなみに、台風などの災害によって屋根に修繕の必要性が出てきたら火災保険によって補修することも可能です。
だいたい8割程度の建物で火災保険の対象となっていると言っていいかもしれません。
火災保険はいくら使っても翌年の保険料は上がる事はありませんので、使える機会に使っておきましょう。
パミール屋根のリフォームには注意が必要
しかし、このスレート屋根の中でパミールという無石綿の素材でできたスレート屋根は取り扱いに注意が必要です。
パミールは窯業系サイディングで知られる大手外壁材メーカーニチハ株式会社が製造販売していたスレート屋根ですが、2009年に製造、販売が中止されています。
安価で有害物質であるアスベストが含まれていないことや軽いなどの特徴もあって、一時的にかなり普及しましたが、その後多くの不具合も出たことから製造が販売されています。
パミールを使ったスレート屋根は、太陽光による照射に弱く劣化の症状としてはミルフィーユのように屋根が剥離してしまいます。
そうなったら屋根の意味も成さないので、雨水が建物に侵入して雨漏りや基礎を腐らせる原因となるわけです。
なので、パミールのリフォームに関しては塗装による手直しはできず、葺き替え工事となります。
ちなみに、太陽光パネルなどの屋根の上に設置するタイプの設備もパミール屋根は設置してからも劣化スピードが速いので、設置もおすすめできません。
スレートは7~10年間隔での屋根塗装がおすすめ
スレート屋根は日本でシェアトップの瓦になりとても人気の屋根材になります。
リフォームの方法をまとめると
- 塗装
- 葺き替え工事
- カバー工法
おすすめは、7~10年間隔での定期的な屋根塗装による手直しです。
なお、スレート屋根の塗装ではタスペーサーが必要になりますので、見積もりの際にはタスペーサーの代金が含まれていることは確認しておきましょう。
屋根を見て、変色が激しかったり割れが目立つなどしているのであれば一度、業者による診断をしてもらうことをおすすめします。
#屋根塗装 #スレート屋根 #タスペーサー