カラーシミュレーションサイトとは、パソコンやタブレットを使って外壁や屋根、付帯箇所(ベランダ、雨樋・破風・雨戸など)の色の組み合わせを手軽に確認できるツールです。
外壁塗装において色選びはとても楽しい作業である反面、とても頭を悩ます作業でもあります。
また、外壁塗装は色選びで失敗する人が昔から多いという状況もある事から、カラーシミュレーションサイトの重要性は増しています。
カラーシミュレーションツールには、パソコンにインストールして使うタイプのものと運営元のサイトから手軽に行えるもの、iPhoneやandroidアプリからスマートフォンにインストールして使うものに分けられますが、今回は無料で手軽にカラーシミュレーションが行えるサイトやアプリを比較しています。
全体的な比較表の後には、一つ一つのサイトの特徴を説明していますので、カラーシミュレーションの参考にしていただければと思います。
色選びは外壁塗装において、楽しい作業でもありますが、その反面とても頭を悩まさせる作業でもあります。色選びでは、自分の好みの色に加えてその年の流行色などを取り入れて検討するとスムーズに決まることがあります。
別ページでは、当サイトが2019年に外壁塗装を行った384人にアンケートして人気の色を算出しましたので、色選びの参考にしていただければと思います。
記事サマリー
カラーシミュレーション比較表
運営元 | 建物種類 | 色の種類 | 印刷 | 使いやすさ |
---|---|---|---|---|
日進関西 | 1 | 52 | 無 | ◎ |
日本塗装工業会 | 1 | 632 | 無 | ◎ |
さくら外壁塗装店 | 5 | 62 | 無 | ◎ |
ルクア | 2 | 80 | 無 | ◎ |
スズカファイン | 実際に撮影した建物 | 約800色 | 無 | ◎ |
前田功業 | 1 | 28 | 無 | ◎ |
シンニッケンホールディングス | 3 | 85 | 無 | ◎ |
いえふく | 3 | 638 | 無 | 〇 |
日本ペイント | 実際に撮影した建物 | 144 | 無 | △ |
ホームテック | 6 | 40 | 無 | 〇 |
エスケー化研 | 10 | 90 | 無 | ◎ |
小林塗装 | 12 | 64 | 有 | 〇 |
関西ペイント | 4 | 608 | 無 | △ |
日進関西
日進関西のカラーシミュレーションは、断熱塗料ガイナを想定したシミュレーションツールになります。
そのため、色の種類もガイナの標準色52色と他のカラーシミュレーションツールと比較すると少々物足りない印象です。
ただ、ツール自体はとてもサクサク動くので使いやすいです。
ガイナ塗料以外でも最低限の色の組み合わせの確認では重宝します。
日本塗装工業会
日本塗装工業会のカラーシミュレーションはとてもシンプルで使いやすいのが特徴です。
色が選べる項目は『外壁』『屋根』『内壁』『床』の4項目です。
『内壁』『床』の項目があるのが他のカラーシミュレーションと違う点です。
ただし他のカラーシミュレーションと比較するとシンプルすぎる点と建物の種類が1種類と少ないのが難点です。
また外壁の色は1色しか選ぶことができないので、ツートンでの組み合わせの確認もできません。
日本塗装工業会 のカラーシミュレーションは簡単に色の組み合わせを確認する程度に使うことをおすすめします。
さくら外壁塗装店
さくら外壁塗装店のカラーシミュレーションは5種類の建物を62種類の色を1トーン(1色)、2トーン(2色)の組み合わせでシミュレーションすることができます。
シミュレーション箇所は外壁、屋根、付帯部(サッシ・雨樋等)
ページもサクサク動くので使いやすいのが特徴です。
印刷することはできませんが、『この配色を保存する』から気に入った色の組み合わせをブラウザ上に保存する事も可能です。この機能は他のシミュレーションツールにはありません。
難しい機能もなく外壁塗装・屋根塗装のイメージができるカラーシミュレーションツールです。
ルクア
ルクアのカラーシミュレーションは他のカラーシミュレーションよりも機能性の面では劣っていますが、とてもシンプルに使えるので色の組み合わせを確認するのは適しています。
建物の種類は2種類でどちらも今流行りの寄棟タイプの住宅です。
軒天やベランダなどの細かい付帯箇所については色を選ぶことはできません。
スズカファイン(iPad・iPhoneアプリ)
iPad Air2(iOS10)、iPhone6(iOS10)以降対応のカラーシミュレーションアプリです。
他のシミュレーションツールとの違いは実際に撮影した建物の色をアプリを使ってシミュレーション出来る点です。
色の種類も約800色(日塗工G版、スズカ標準色、多彩色から選ぶことができます)と豊富にあるのも特徴です。
インストールして30日間は登録なしで使う事ができます。
30日以降は登録(メールアドレス・パスワード)が必要になりますが、その後も無料で使う事ができる高度なカラーシミュレーションツールです。
AirPrintを設定すればプリントアウトも可能です。
ただ、容量の大きい画像などを使ってカラーシミュレーションすると作業中に急にデータが消える(落ちる)ことがある点があります。
iPad・iPhoneユーザーは使ってみることをおすすめします。
前田功業
前田功業のカラーシミュレーションは建物の種類が少なく、機能的にもそれほど多くありませんが他のカラーシミュレーションにはない軒天や破風(はふ)も選択できるのが特徴です。
ただ、色の出方や建物のリアルさには欠けるので、色決めの参考程度に使うようにしましょう。
余分な機能がないのでページはサクサク動きます。
シンニッケンホールディングス
シンニッケンホールディングスのカラーシミュレーションはとてもシンプルで余計な機能がない代わりにサイト速度も速く使いやすいのが特徴です。
建物の種類は洋風、和風、陸屋根から選ぶことができますが、軒天や付帯部の色を選ぶなどの細かいことはできません。
最低限のカラーシミュレーションで良いという方は使ってみてもよいでしょう。
いえふく
いえふくのカラーシミュレーションの一番の特徴は3Dによって建物を前後左右好きな角度から色が確認出来る点にあります。
この機能は他にない機能になりますし、動作自体もサクサクしていて色の確認も直観的に行えます。
色の種類はメーカーごとに細かく分類されているので(日本塗料工業会、日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研)、検討している塗料で色を確認することができます。
ただ、使い勝手的には建物が画面上部に固定されるので色を選ぶスペースが狭いため少々ストレスを感じました。
日本ペイント(iOS、Android対応アプリ)
日本ペイントのカラーシミュレーションアプリ『Nippon Paint Colour Creations』です。
iOS、Androidどちらにも対応していてます。
特徴は、自分で撮った画像に色を載せることが出来る点です。
塗装したい箇所をタップするだけで色を変更することができます。
選択できる色の種類も豊富ですが、なぜか日本ペイントの色見本(標準色)で選択できません。
また、ちょくちょくアプリが落ちます。
せっかく日本ペイント製のカラーシミュレーションツールなのになんとも残念ですが、それでもアプリの使い勝手は良いです。
⇒ 日本ペイントのカラーシミュレーション(App Store)
ホームテック
ホームテックのカラーシミュレーションは外壁と付帯箇所で屋根はシミュレーションすることはできません。
建物の形(洋風・和風)によって色が制限されてしまうので、カラーバリエーションは少なめです。
ただ、完成例はかなり綺麗な仕上がりになるので、色がイメージと違ったといったトラブルは少なくなります。
色の種類が少ないのは難点ですが、付帯箇所の色が選べるのでアクセントカラーなどを考えている人には、役に立ちそうです。
サイト自体はシンプルでとても使いやすいです。
エスケー化研
エスケー化研のカラーシミュレーションは、建物の種類も10あり、色の種類は90もあります。
かなり細かくシミュレーションできるのが特徴で、バルコニー・玄関回り、軒天などの色も変更することができます。
また、外壁の仕上がりも10種類から選べるので、色との風合いも確かめることができます。
サイトもまとめられていて使いやすいですし、個人的には一番おすすめのカラーシミュレーションです。
小林塗装
小林塗装のカラーシミュレーションは、建物の種類は12種類あり、外壁・屋根はもちろん付帯箇所・見切り・シャッターボックス・玄関ドア・破風・笠木・雨樋と細かくシミュレーションすることができます。
また、建物の色を東西南北から確認することができるのも嬉しいですね。
サイトの造りも、印刷項目があったり、別の建物デザインページへのリンクがあったりと、訪問者にとって使いやすく造られています。
ただ、仕上がりはイラスト調になってしまうので実際のカラーとの相違はどうしても出てきてしまいます。
関西ペイント
関西ペイントのカラーシミュレーションは、細かい設定ができて選べる色も多いんですがいかんせんサイトが使いにくいのが難点です。
建物の種類は4種類ですが、色は600以上あり、親切におすすめの配列(ジャンル別おすすめ配列)も用意してくれています。
選ぶ項目が多いので、最初は困惑すると思いますが慣れてきたら使いやすくなるかもしれません。
無料系のカラーシミュレーションツールの中では一番高性能だと言ってもいいかもしれません。
ただ、使用するためにはMacromedia Flash Player(無料)のインストールが必要になります。
カラーシミュレーションを使う前の注意点
外壁塗装における色選びは、楽しい反面とても頭を悩ませる項目でもありますよね。
少し前のカラーシミュレーションでは、建物をデジカメで撮影してパソコンで範囲を指定して色をシミュレーションしていくという方法が一般的でしたが、最近ではとても使い勝手が良くなりました。
とても便利なカラーシミュレーションサイトではありますが、使う前には注意点もあります。
カラーシミュレーションサイトを使う前に肝に命じておくことで、仕上がりイメージにも満足いく可能性がグンと上がりますので是非とも参考にしていただければと思います
助成金もわかる相場算定ツール
ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーを理解する
カラーシミュレーションを行う前に色の配色のルールであるベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーを理解しておきましょう。
ベースカラーとは、建物の基本となる色で割合的にも一番多くの面積に塗装される色になります。
アソートカラーとは、ベースカラーの次に多く塗装される面積に使われる色になります。
アクセントカラーとは、建物の塗装面積の中で一番少ない面積に使われる色でベースカラー、アソートカラーとは対照的な色を使うとまとまりが良くなります。
ベースカラー⇒アソートカラー⇒アクセントカラーの順番で色を決めていうのが基本になります。
また、色決めの際には色相環を使う事でベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーがしっかりと決まります。
色相環とは、PCCS(Practical Color Co-ordinate System:日本色研配色体系)が色相を体系化してまとめた表になります。
理想的な割合は、ベースカラー70%:アソートカラー25%:アクセントカラー5%と言われています。
カラーシミュレーションでは100%正確に色は確認できない
カラーシミュレーションはタブレットやパソコンのブラウザを通して色を確認することになる為、100%同じ色では仕上がりません。
また、実際の外壁は太陽光によって照らされることになりますが、太陽光は時間帯によって外壁を照らす光の量が変わります。
そのため、昼間の太陽光は白っぽく見えて、夕方の太陽光はオレンジっぽく見えます。
また、使用する工法やメーカーによっても色は違って感じます。
一般的にはキャニオンやスタッコ仕上げなどでは色は暗くなり、プロバンスやスタンプ仕上げでは色が明るくなります。
カラーシミュレーションでは、このような自然光を考慮した色や工法に対応していない為、実際の外壁の仕上がりの色は若干変わってきます。
自然光や工法も意識して色を選ぶことでカラーシミュレーションと近い仕上がりとなります。
業者側からするとカラーシミュレーションはクレームの元?
最近のカラーシミュレーションサイトは動作もすごくサクサク動きますし、建物もリアルな作りになっています。(自宅写真を加工するカラーシミュレーションもあります)
そのため、施主からするとカラーシミュレーションによる色のイメージが固まってしまいます。
外壁塗装においてイメージ通りに仕上がらなったというクレームはとても多く、業者側するとカラーシミュレーションサイトを使う事でクレームの元となる為、カラーシミュレーションを使わずに色見本帳のみで商談をすすめる業者もあります。
しかし、カラーシミュレーションを使った提案がないからダメな業者というわけではありません。
カラーシミュレーションを使わずに、最初の提案で色見本帳から気になった色を選択し、その後外壁に用いる工法の上に色を乗せたサンプル版を作って、施主と一緒に太陽光の下で確認するという、色決めに慎重に対応してくれる業者もあります。
このような事情も分かった上で、カラーシミュレーションを使う必要があります。
外壁塗装のカラーシミュレーションまとめ
バルコニー・玄関回り、軒天などの色も変更することができます。
過度に信頼することなく、実物の色見本を太陽光の下で確認するようにしましょう。
無料で使えるカラーシミュレーションサイト・アプリを13個紹介してきましたが、個人的にはエスケー化研のカラーシミュレーションが一番使いやすくておすすめです。
アプリ系はi Color Paint(スズカファイン)とNippon Paint Colour Creations(日本ペイント)を紹介しましたが、これはスズカファインのほうが使いやすいです。
今回紹介した13個は全て無料で使えるサイト・アプリなので一度全部使ってみるとよいでしょう。
なお色選びには別ページにある、おしゃれな外壁塗装をまとめた画像集もおすすめですよ。
外壁の色選びでは失敗したと感じる方もとても多いので、カラーシミュレーションだけでなく実際に建設されている近所の建物の配色なども参考に色決めされることをおすすめします。
また、業者によってはカラーコーディネーターの資格を持っている所もありますので、自分の主観だけでなくプロの意見も参考に色を決めるとよいでしょう。