外壁塗装で施工時の足場組みは作業の効率性向上の目的の為、必ず設置されます。
ただ、都心部などでは土地の価格が高いことが原因によって、敷地内の幅が狭くて足場が設置できないお宅もあります。
結論から言えば、このような狭い幅でも足場組みは可能です。
足場組みに必要なスペースと狭い場所での足場組みの対処の仕方、注意点を紹介します。
助成金もわかる相場算定ツール
記事サマリー
足場を組むには最低50cmのスペースが必要
外壁塗装で使われる足場の種類は大きく3種類あり、それぞれ設置に要するスペースが変わってきます。
- 単管足場:50cm
- くさび緊結式足場(ビケ足場):70cm
- 脚立足場:50cm
※脚立足場は、平屋のお宅で建物の一面だけを塗装するなどの簡易的な塗装で用いられることもありますが、建物全体の塗装ではほぼ使われません。
このように足場設置の為には、建物と敷地の間のスペースは最低でも50cmのスペースは必要ということになります。
このことを踏まえて、狭い場所での足場対処方法を紹介していきます。
幅が狭い場所での足場対処方法
狭い場所での足場組みの対処の仕方としては、主に3つの方法があります。
建物と敷地スペースの関係によって最適な方法が変わってきます。
単管足場を使う
建物と敷地の間のスペースが50cm程度あるようだったら単管足場(たんかんあしば)を使います。
単管足場とは、鉄パイプとクランプ(金具)をかみ合わせ、ボルトを締めて接合する足場になります。
比較的に安価で足場組みができ組み立て時の騒音も少ないなどのメリットがある足場ではありますが、鉄パイプ2本(抱き足場)の上に足を乗せて塗装を行う事になりますので、安全性に劣るというデメリットもあります。
現在は、職人の安全面を第一にくさび緊結式足場が主流になっています。
隣のお宅の敷地を借りる
土地の所有者は、隣の土地との境界またはその付近に、塀や建物を作ったり、修繕するために、必要な範囲で隣の土地の使用を請求することができます。
民法第209条第1項
ただし、隣の住家の中には隣人の承諾がない限り、立ち入ることはできません。
50cmのスペースが確保できない場合には、お隣の敷地を借りて足場を組むこともあります。
民法209条第1項でも、必要な工事であればお隣の敷地を借りることができると明記されています。(ただし、承諾は必要です。)
ただ、狭小地に建つ建物は条件が同じ所が多いので、お隣が外壁塗装の時期になったら今度は敷地を貸すなど、持ちつ持たれつで成り立っています。
とは言ってもお隣に迷惑をかけることになるので、日ごろからの人間関係が構築されていないと難しいかもしれません。
ロープアクセス工法を使う
ロープアクセス工法には、足場を設置するよりも非常に安く済むというメリットがありますが、何よりも作業性が悪く墜落などの事故に発展するケースも考えらるというデメリットがあります。
作業性が落ちるので、一般的な工期(7日~10日)よりも遅くなります。
ロープアクセス工法は、緊急を要する部分的な補修には非常に役に立ちますが、外壁塗装などの広い範囲の修繕には不向きです。
また、業者側もかなりの手間となってしまうので、仕事を受けてくれない所もあります。
狭小地で足場が組めない建物の最終手段と考えておきましょう。
ちなみに都心部の3階建て住宅などは狭小地に建設されていることも多くあり、足場だけでなくルーフバルコニーの補修方法なども変わってきます。
隣のお宅を傷つけないように十分に注意する
幅が狭い場所でも外壁塗装は可能なわけですが、隣の建物や設備を気づけないように細心の注意が必要になります。
特に足場組立の際には、十分な注意が必要になります。
足場のみでなく、外壁塗装中の高圧洗浄の水しぶきだったり、ペンキのはねなどでも狭小地の外壁塗装は気を付ける点が多くなります。
万が一、隣の建物を傷つけてしまったら業者が対応することにはなりますが、それでも隣家とは気まずくなってしまうものです。
狭小地に建つ建物の外壁塗装を検討する際には、業者選びは特に大切です。
足場を組むスペースが狭くても外壁塗装できる
50cmない場合はお隣の敷地を借りるなどして対処します。
狭い場所でも外壁塗装は問題なくできます。
狭小地に建つ建物では、敷地と建物のスペースが50cmというのが一つの目安になります。
50cm未満だと隣の家の敷地をお借りしたり、ロープアクセス工法を使ったりといろいろと制限が発生していきます。
ちなみに狭小地での外壁塗装においても割り増し料金などは発生しないのが基本になります。
敷地が狭くて外壁塗装に二の足を踏んでいる方も一度、業者に相談してみることをおすすめします。
#外壁塗装よくある質問 #狭小地 #単管足場 #ロープアクセス工法