業者が外壁塗装で中塗りと上塗りの色を変える本当の理由

外壁塗装では塗り回数の誤魔化しを防ぐためや塗り残しを防止するために、中塗りと上塗りの色を変えるという施工を行う業者があります

施主としても適正な回数の塗装をしてもらえるということで安心材料となっています。

しかし中塗りと上塗りの色を変えるのは一見、誠実な印象がある施工方法ですが、実は業者側の隠れた意図と、色を変えることでのデメリットがあります。

中塗りと上塗りの色を変えることを検討している方の、参考になれば幸いです。

▼トラブルに巻き込まれる前にご一読ください!

中塗りと上塗りの色を変える理由は在庫塗料の再利用!?

結論から言うと、中塗りと上塗りの色を変えることで業者側は前回の塗装時の余った塗料を中塗りで再利用することが出来るというメリットがあります

外壁塗装では、建物に対して一斗缶ごとに必要な塗料を注文しています。

そのため、一つの現場終了時には、一斗缶に半分の塗料が余っていることやそれ以上が余っていることが出てくるわけです。

一般的には、余った塗料は産業廃棄物として処理することになりますが、これを中塗りで使用することが出来れば業者としては処理費用の節約(ペンキの処理費用は一斗缶で約4,000円程度)にもなりますし、中塗りで使う塗料の節約にもなるわけです。

業者側が中塗りと上塗りの色を変えている理由はお客さん側への配慮というよりも、自社メリットのためであるケースが多いです。

中塗りと上塗りの色を変えることで考えられるデメリット

中塗りと上塗りの色を変えることで適正な塗り回数で施工が行われたというメリットはありますが、デメリットもあります。

考えられるデメリットを3つ紹介します。

仕上がりが悪くなる

中塗りと上塗りの色を変えることで仕上がりが悪くなる例
中塗りと上塗りの色を変えることで仕上がりが悪くなる例

中塗りと上塗りの色を変えることで、仕上がりが悪くなる可能性があります。

これは中塗りで使う塗料は前回の在庫となっていることが原因で色を選ぶことが出来ないことが理由です。

上塗りではお客側から指定された色を塗ることになるわけですから、中塗りで使う色と上塗りで使う色の相性が悪ければ『色落ち』と言われる、いわゆる中塗りで使った色が浮いてくる現象が発生してきます。

色の濃い色と薄い色では濃い色のほうが当然強いわけで、上塗りで使う色よりも濃い色を中塗りで使用してしまうことで色落ちが発生しやすくなってしまいます。

また、陽の当る面は中塗り色が斑状になって浮き出てくることもあります。

上塗りにイエロー、レッド、ブルー、グリーン系など彩度の高い色目を塗装する場合は、隠ぺい性を高めるため、予め隠ぺい性の良い共色を塗装してください。

エスケープレミアムシリコン仕様書(施工上の注意事項)

※隠ぺい性とは、下地の色を上塗りで使う塗料で覆い隠すことです。

塗膜の劣化が早くなる

仕上がりを気にる業者は中塗りで使う色と上塗りで使う色の相性を整えようと、調色をしようとします。

調色のためには顔料(着色に用いる粉末で水や油に不溶のものの総称)を混ぜて色を作っていくことになるわけですが、簡易的な作業で顔料を調合して塗料を作ってしまうと塗膜の性能が低下してしまいます。

調色のためには十分な撹拌作業が(かくはんさぎょう)が必要です。

また、顔料が多くなりすぎると塗料の本来の性能は損なわれてしまうことです。

在庫で使用する塗料を中塗りで使用すると、塗膜の劣化が早くなる可能性があります。

ちなみに塗料にはメーカーごとに標準色が用意されていて、それ以外の色は顔料を使って色を作ることです。

費用が高くなる

在庫を使わずに中塗りと上塗りの色を変えることになると、費用が高くなります。

これは、中塗り、上塗りで使用する塗料でそれぞれ余りの塗料が発生してしまうためです。

それぞれキリよく一斗缶ピッタリと使って塗装できれば塗料が余る事もありませんが、塗料は一斗缶ごとの発注となるため、どうしても余りの塗料が発生してしまい、その分の費用が上乗せでかかってきてしまいます。

イメージとしては中塗りで0.5缶、上塗りで0.5缶、合計一斗缶1個くらいの費用が加算されることになるでしょう。

なので塗料にもよりますが、15,000円~20,000円程度が上乗せされることです。

そもそも塗り残しなんてあるの?


残念ながら外壁塗装や屋根塗装において塗り残しの被害に遭われている方はいらっしゃいます。

塗り残しに関してはよく見れば分かるので、どの業者も無償で対応してくれるかとは思いますが、そもそも問い合わせ自体が手間ですし再度足場を組んでなんて言ったら、近隣にも再度迷惑をかけることです。

ただ、熟練した職人であれば塗り残しが発生すること自体があり得ないことですし、塗膜の性能や費用の事を考えている良心的な業者であれば、そもそも中塗りと上塗りの色を変えるという提案をしてきません。

実際のところ中塗りと上塗りの色を変えるというのは、下手な業者のミス防止策か塗料の在庫処分の目的が大きいですね。

ただそれでも、適正な塗り回数や塗り残しリスクを考える方であれば、中塗りと上塗りの色を変えるのもアリでしょう。

結論!実績のある業者であれば中塗りと上塗りの色を変える必要なし

中塗りとは?
中塗りとは、塗装回数の中盤に塗る塗装のことです。
3回塗りであれば、2回目の塗装を中塗りと言います。
上塗りの色を変えると何が問題?
仕上がりが悪くなります。
中塗りと上塗りの色は隠ぺい性の良い共色を選ぶことが大切です。

結論を言ってしまえば、実績のある業者に外壁塗装をお願いすれば中塗りと上塗りの色を変える必要はありません

なので塗り回数に不正が行われているのではないか、塗り残しがあるのではないかと言った不安を払しょくするするためにも地元で実績のある業者で外壁塗装を検討することをおすすめします。

くれぐれも過度にホームページなどで『中塗りと上塗りの色を変えています』とうたっている業者には注意してください。

#外壁塗装トラブル #屋根塗装トラブル