外壁塗装の詐欺手口はこの5つ!対処法を知れば怖くない!

(詐欺)

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法 第246条

大変残念なことですが、外壁塗装工事では詐欺が横行しています

外壁塗装工事は屋外で行われる工事で不正を見つけるのが極めて困難なため、毎年詐欺行為が横行している現状です。

国民生活センターにも毎年訪問販売やリフォーム工事による相談が相次いでいる状況です。(2020年の相談件数は8,780件でここ3年間で一番多い)

しかし、外壁塗装工事の詐欺の手口はそれほど多くはありませんので、詐欺の手口を知る事で未然に防ぐことが可能です。

代表的な詐欺の手口とページ後半では万が一詐欺に遭ってしまった場合の対処方法や詐欺業者の特徴も掲載していますので、参考にしていただければと思います。

▼トラブルに巻き込まれる前にご一読ください!

外壁塗装の詐欺手口

点検詐欺

「近くで工事をしている」と言って作業員が訪ねてきた。翌日、別の作業員も連れてきて「点検します」と言い、屋根に上った。瓦が割れた写真を見せられ、「このままではもっとひどい状態になる」と言われて屋根工事の契約をしてしまった。

訪問販売によるリフォーム工事・点検商法 | 国民生活センター

点検詐欺とは、突然家の点検をするという名目で自宅に押し掛け必要でない工事を請求する詐欺手口です。

悪質な業者だと、屋根点検をすると言って梯子を使って屋根に登り、その際に屋根を割って工事の必要性を説く悪徳業者もいます。

点検詐欺は『点検商法』とも言われ、国民生活センターでも注意喚起しています。

点検詐欺は、訪問販売業者などがよく使う手口です。

基本的に突然押しかけて来る業者には対応しないようにしましょう。

代金持ち逃げ詐欺(前払い)

代金持ち逃げ詐欺とは、外壁塗装工事をする前に料金を支払わせて、工事をせずに連絡が取れなくなってしまう詐欺です。

代金持ち逃げ詐欺は昔ながらの詐欺手口ですが、まだまだ横行しています。

対応策としては、料金は工事完了後に決済するか、前金で半額、工事完了後に半額などと分けて決済するようにしましょう。

現在、外壁塗装工事費用全額を一括前払いさせる所はかなり稀です。

代金持ち逃げ詐欺のリスクもありますので、一括前払いの業者とは付き合わないほうが無難です。

契約前に業者名をインターネットで検索し、聞いたことない業者や実績のない業者はいくら安くても代金持ち逃げ詐欺のリスクがあるので止めておくのが賢明です。

オリジナル塗料詐欺

オリジナル塗料詐欺とは、業者が塗料メーカーとタイアップして高品質なオリジナル塗料を作ったとアピールして自社のPRをすることですが、実際は塗料缶のみオリジナルで作成し中身は既存の塗料を使用するという詐欺手口です。

もちろん本当にオリジナル塗料を作成している業者もありますが、そもそも消費者側にオリジナル塗料を使うメリットはありません。

現在、外壁塗装に使われる塗料は数百種類ありますが、大手塗料メーカー(日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研など)の塗料で十分に高品質です。

また、オリジナル塗料がタチが悪いのが相場が出回っていないので、大手塗料メーカーが販売する塗料よりも高単価に設定されている点です。

業者の中には30年持つから最初の支払いは高いと言った説明をする所もありますが、大抵の場合30年持つ根拠はありません。

オリジナル塗料詐欺でなくても、オリジナル塗料はおすすめしません。

足場屋の代金を支払わない詐欺

外壁塗装業者の中には足場を自社で購入せずに足場屋からレンタルで対応している業者もいます。

外壁塗装工事では足場は塗装前に足場を組み立て、工事最後に足場の解体を行います。

足場屋の代金を支払わない詐欺とは、外壁塗装業者が足場屋に足場代を支払わないことで足場屋が足場の解体を行ってくれないといったトラブルへと発展する詐欺手口です。

ちなみに外壁塗装業者で足場を保有するメリットは長い目で見ると経済的なメリットがあることですが、足場を保管しておく場所が必要などと言ったデメリットもあります。

足場を自社で保有している業者は長い目で事業を営んでいる実績ある業者の可能性が高いです。

塗り回数省略詐欺

パーフェクトトップ仕様書
パーフェクトトップ仕様書 | 日本ペイント

外壁塗装は塗料の種類によって塗り回数が決まっています。

この塗り回数を誤魔化して3回塗りを2回塗りに省略すると、塗膜の早期劣化(剥がれ・膨れ・ヒビなど)を引き起こします。

このように塗り回数を省略する詐欺手口も横行しています。

業者は塗り回数を省略することで、塗料を削減することができます。

また工期を短くすることもできるので、次の現場に早く取り掛かれることです。

塗り回数省略詐欺には、外壁塗装工事の様子を毎日写真でもらうようにしましょう。

日付とその日の工事の様子が分かる画像を工事完了まで毎日もらうようにすれば業者は不正する余地がありません。

なお、優良な業者であれば、このような工事の進捗の報告はこちらから言わなくても行ってくれます。

万が一詐欺に遭ってしまった場合の対処方法

住宅リフォーム・紛争処理支援センター 10:00~17:00(土日祝は対応外) 0570-016-100 電話相談
専門家(弁護士・建築士)相談
裁判外の紛争処理
消費者センター (国民生活センター) 10時~12時、13時~16時(土日祝日、年末年始を除く) 03-3446-0999 トラブル相談(電話)
裁判外紛争解決手続
消費者団体訴訟制度(団体訴権)の紹介
医師からの事故情報受付窓口
弁護士ドットコム 10:00〜17:00(平日のみ) 03-5549-2261 弁護士への相談
弁護士の紹介

万が一詐欺に遭ってしまったら専門家に相談しましょう。

詐欺の相談に乗ってくれる窓口はいくつかありますが、おすすめは上記3つです。

それぞれ特徴が違いますので、状況に応じて使うようにしましょう。

なお、まだ詐欺業者と連絡が取れるのであればクーリングオフを利用する事で解決する場合もあります。

クーリングオフとは、一定期間内であれば消費者が締結した契約を解除できる制度のことです。

また一定期間外であっても、悪質な方法によって契約してしまった場合にも適用されます。

クーリングオフの詳しいやり方や相談窓口については別ページで紹介していますのでご覧ください。

詐欺業者の特徴

詐欺業者の特徴
  • 即決を迫ってくる
  • 大幅な値引き
  • 工期が極端に短い
  • 前払いを求めてくる
  • 見積書に詳細がない

外壁塗装の詐欺業者の特徴は上記5点です。

即決は詐欺業者の典型的な手口ですが、『今日契約してくれたら特典として』などと、考える暇を与えずに即日契約を迫ってきます。

大幅な値引きも即決の材料ですが、詐欺業者はあらかじめ高い見積書を用意しておき、そこから20万円以上の大幅な値引きをして魅力的に見せる演出をしてきます。

工事が杜撰(ずさん)なのも詐欺商社の特徴ですが、外壁塗装工事の一般的な工期は10日ほどです。

どんなに塗装面積が狭い建物でも、外壁塗装工事は乾燥の時間が必要になるため、一定以上(最短でも7日)工期を短くすることができません。

ただし、詐欺業者は乾燥時間などを無視した杜撰な工事を行い、受注件数を増やすことで利益を得ようとします。

見積書に詳細がないとは、『外壁塗装工事一式』などとくくった見積書のことです。

本来の見積書は塗料名:〇〇円、足場代:○○円、養生代:○○円と言った具合に一つ一つのサービスや商品に対して料金が記載されています。

詐欺業者は一式の見積書を作成することで、一つ一つの料金を誤魔化そうとしています。

詐欺業者の特徴に一つでも当てはまる業者は危険ですので、詐欺に遭う前に専門家に相談することをおすすめします。

詐欺被害にあっても立証できる可能性は低い

原告人(被害者)
外壁塗装(工事代金200万円)、浴室改修工事(工事代金210万円)、屋根塗装、しっくい、棟交換工事(工事代金 95万円)の契約したが工事に対する説明が一切なかった。
知り合いに現状を見てもらったら問題ないことが分かりキャンセルしようとしたらキャンセル料で25%の請求を受けた。
納得できないので既払い金295万円を返金するよう求める。

被告人(業者)
工事の一部不備は認めるが、クーリング・オフ期間を過ぎている申し出なので既に商品を仕入れてしまっている分を相殺して約35万円の返金で解決したい。

国民生活センター

上記事例は、平成27年に国民生活センターに寄せられた詐欺事例です。

この事例の最終的な結果は、既に工事が完了している部分についての返金は認められず浴室改修工事(システムバス)の返金80万円で和解が成立しました。

実際に詐欺にあってしまっても詐欺罪として立証するのは極めて難しいことが分かります。

今回紹介した事例も工事の不備として和解が成立しています。

詐欺を予防して優良業者で外壁塗装しましょう

詐欺業者の手口は?
詐欺業者の代表的な手口は点検詐欺、代金持ち逃げ詐欺(前払い)、オリジナル塗料詐欺、足場屋の代金を支払わない詐欺、塗り回数省略詐欺などがあります。
毎年詐欺行為が横行しているので注意が必要です。
詐欺に遭ってしまったどうしたらいい?
万が一詐欺に遭ってしまったら専門家に相談しましょう。
まだ詐欺業者と連絡が取れるのであればクーリングオフを利用する事で解決する場合もあります。
外壁塗装の詐欺対策
  • 地域密着型の業者さんに依頼する
  • 複数の業者で見積もりをし比較する
  • 訪問業者の話を安易に信用しない

外壁塗装工事における詐欺の手口と詐欺業者の特徴などを紹介してきましたが、詐欺を予防する一番の方法は地域で実績のある優良な業者にお願いすることです。

優良な業者はインターネットの紹介サービスを使うことで見つけることができます。

外壁塗装におけるトラブルは毎年とても多いので、細心の注意を払って業者選びを行ってください。

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