外壁塗装における気泡とは、壁に水ぶくれの様なブツブツとしてデコボコが発生する不具合の事です。
気泡はのちに潰れてクレーターのようになることから、ピンホール(針でついた穴)とも呼ばれます。
ピンホールは塗膜に針で突いたような極めて小さな穴を生じる現象であり、細かくて深いのが特徴です。
気泡が発生してしまうと見た目が悪くなると共に、気泡が潰れることによって雨水や結露が浸入して塗膜の早期劣化や外壁下地にも影響を及ぼします。
気泡が発生してしまう主な原因を紹介します。
記事サマリー
気泡の発生原因
希釈剤の割合が適当ではなかった
塗料には1液型と2液型とあり、2液型では塗料液と硬化剤が別々になっていて、塗装前に水やシンナーをよく混ぜて使います。
塗料によって硬化剤を混合する割合が決まっていて、その割合が正確であればあるほど塗料は性能を増します。
一般的には
- 混合比の誤差が55%以内:非常に良い性能が発揮されます
- 混合比の誤差が10%以内:性能はほぼほぼ発揮されます
- 混合比の誤差が20%以上:塗膜性能に問題が生じます
混合比の誤差が20%以上だと、気泡が発生しやすくなってしまいます。
誤差が生じてしまうのは、秤を使わず目分量で混合していたり、雑な計り方をしている事が原因です。
塗装時の気候が適当でなかった
塗料は乾燥して初めて塗膜を作りますが、基本的に気温5度以下の日、湿度85%以上の日に塗装を行うことで気泡が発生してしまう可能性が高くなります。
一般的に気温5度以下の日は塗料の硬化が遅くなるので、家の周りをシートで覆ったり、ストーブで加温したりして作業することになりますが、急速な乾燥を塗料に施すと、表面ばかりが乾燥して、内側の気泡が外側に出ようと顔を出すことになり、外壁表面に気泡が現れてしまいます。
また、同じ理由で気温は高すぎても上記と同じように表面ばかりが乾燥することになって気泡の原因となってしまいます。
ちなみに適温で作業を行わないことで気泡以外にも、白化や刷毛の跡が残ったりなどの仕上がりに大きく影響してきます。
下地処理が正確に行えていなかった
外壁塗装では塗装前に塗料が外壁に密着しやすい状態にするために、下地処理を施します。
下地処理では高圧洗浄、サビや油汚れカビ・藻などを除去するケレン作業、クラック(ひび割れ)などが起きている箇所にはパテで処理するなどの作業を行います。
また、既に欠けているような外壁であれば一度、ヘラで削り落とし作業も必要です。
この下地処理を怠る事で、外壁面に汚れが付着した状態で塗装を行う事になってしまうので、表面がデコボコした気泡が発生する原因へと繋がります。
下地処理で塗料の耐用年数が決まってしまうとも言われていますので、1日かけて丁寧に行う事です。
下塗り・中塗り・上塗りの乾燥時間が不適切だった
一般的に、外壁塗装では下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本とされていますが、各塗装後における乾燥時間が適切でない状態で、重ね塗りを行ってしまうことでも気泡は発生しやすくなってしまいます。
こうなると、下にある塗料はまだきちんと乾燥していませんので、内側の空気が外に出ようと気泡が発生してしまいます。
塗料ごとに乾燥時間の目安は決められていますが、それでも時期や湿気、風通し、日の当たり方などの条件が影響してくるので一概に目安の時間を守ればいいというものでもありません。
塗料の乾燥に関しては職人の長年の経験が大切です。
塗料に合った道具(刷毛、ローラー、吹付)を使用しなかった
塗料によって適切な道具がありますが、これを守らずに塗装をしても外壁と塗料が上手く密着せずに気泡の原因となってしまいます。
また、適切な道具を使用して塗装を施しても、粗悪で雑な塗装をすれば気泡の原因です。
ウレタン塗料は刷毛・ローラーの塗装が不可能になるので吹き付けのみでの塗装です。(パーフェクトトップなどのラジカル制御型塗料は例外)
もしも外壁塗装後に気泡が見つかったら
外壁塗装後に気泡が発生する原因について紹介しましたように、気泡の発生は施工業者側が適切な作業を行わなかったことに問題があります。
気泡は外壁塗装完了後数日で不具合として現れます。
少量の気泡であれば特に気にすることもありませんが、壁全域にかかるように気泡が発生している場合には、外壁下地にも影響を及ぼしてくる可能性があるため、対処が必要です。
その際は、自分でどうにかしようと考えずに業者に連絡して再度、塗装をし直してもらってください。
ほとんど全ての業者で無償で塗装し直してもらえるはずです。
気泡は塗装後数日で発生するケースが多く、塗料の完全乾燥には2週間程度が必要ともされていますから、その間は外壁の仕上がりを数日見てみるとよいでしょう。
ちなみに気泡は水蒸気が原因となっているケースが多いので、太陽光が指している箇所で多く見受けられます。
なお、塗装後の不具合に関して気泡などの不安がある方は、業者選定の段階でリフォーム瑕疵保険などの第三者機関に加入している業者を選ぶことをおすすめします。
気泡によく似た症状で『泡』もある
気泡は塗装終了後に膨れて後に潰れてピンホールです。
これとよく似たものに施工不良による泡があります。
泡とは、素地(塗膜)に穴が開いていたのではなく施工ミスです
泡の原因はいくつかありますが、2液型塗料の混合ミスや攪拌ミス、表面に水分が残ったまま塗装してしまった時などに発生します。
泡は気泡のように膨れず、穴が開いた状態で塗料が固まってしまう症状です。
泡は施工ミスになりますので、塗膜の早期剥がれのトラブルに繋がります。
早急に再塗装してもらいましょう。
気泡が発生したら業者に対処してもらいましょう
ピンホールとも呼ばれます。
適正な外壁塗装を行うために、正確な作業が必要です。
気泡に関しては、業者側の手抜きによって起こるケースと、気候による予期せぬケースが原因となって発生するケースの2パターンあります。
再塗装では、再度足場を組んで気泡が見られる外壁面を削り落としてから塗装という段取りです。
どちらの場合にも業者側に責任があるわけですから、手間がかかってもしっかりと対処してもらうようにしましょう。
ただ、そのようなトラブル発生時に業者のレベルが分かったりもします。
凄く嫌な顔をして再塗装をしに来る業者を選ばないためにも、最初の段階での業者選定がとても大切になってくるわけです。
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