記事サマリー
乾燥時間とは塗料が硬化乾燥するまでの時間
外壁塗装の乾燥時間とは、塗料が塗膜を形成するために必要な時間になります。
塗料の乾燥段階には4段階あります。
- 指触乾燥(指に塗料が付かない程度の乾燥)
- 半硬化乾燥(塗装面に擦り跡がつかない程度の乾燥)
- 硬化乾燥(強く押しても、指紋による凹みがつかない状態)
- 完全乾燥(塗膜内部まで硬化している状態)
外壁塗装では塗膜の耐久性の観点から3回塗り(下塗・中塗り・上塗り)が一般的になっていますが、それぞれの塗装において半硬化乾燥までさせることが大切です。
半硬化乾燥(はんこうかかんそう)とは、完全に乾燥した状態ではなく塗装面を触っても跡が付かない状態のことです。
半硬化乾燥までの時間は塗料や季節、水性・油性塗料によっても違ってきますので、それぞれの乾燥時間と、塗料を完全に乾燥させないことで引き起こされるリスクを紹介していきます。
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塗料ごとに乾燥時間は違う
ひとくちに乾燥時間と言っても塗料ごとに最適な乾燥時間は違ってきます。
また、外壁材によっても乾燥時間は変わってきます。
上記のパーフェクトトップとダイナミックトップの乾燥時間を比較してみると、パーフェクトトップでは乾燥時間は3時間程度ですがダイナミックトップでは8時間程度と、2倍以上も違うことが分かるかと思います。
特に下塗りに使われるシーラーやプライマーは上塗りで使われる塗料よりも乾燥時間は長めに設定されています。
なお、塗料における乾燥時間は、カタログに記載されている『塗り重ね乾燥時間』を参考にするようにしましょう。
主な塗料の乾燥時間一覧
※下記は各メーカーが公表する乾燥時間ですが、乾燥時間はその時の状況(気温、天候、湿度など)によって変わりますので、あくまでも目安としてください。
※タップすると塗料一覧が表示されます。
パーフェクトサーフ | 3時間以上 |
水性シリコンエポサーフ | 4時間以上 |
水性サーモアイウォールサーフ | 4時間以上 |
水性サーモアイウォールシーラー | 4時間以上 |
ファインパーフェクトシーラー | 4時間以上 |
1液ベストシーラー | 3時間以上 |
シリコンベスト強化シーラー | 2時間以上 |
アレス弾性ホルダー防水形 | 4時間以上 |
アレス水性ゴムウォールシーラー | 2時間以上 |
エコカチオンシーラー | 2時間以上 |
スーパーザウルスⅡ | 4時間以上 |
アレスホルダーGⅡ | 8時間以上 |
浸透形Mシーラー | 4時間以上 |
アレス水性エポレジン | 4時間以上 |
アレスダイナミックフィラー | 8時間以上 |
RSサーフ | 4時間以上 |
RSフィラー | 8時間以上 |
RSプライマー | 4時間以上 |
RSマルチシーラー | 4時間以上 |
RSバリア | 4時間以上 |
アレスクールプライマー | 8時間以上 |
アレスクールシーラー | 8時間以上 |
ザウルスEX Ⅱ | 2時間以上 |
エポマリンGX | 16時間以上 |
ヤネ強化プライマーEPO | 4時間以上 |
プレミアムSSシーラープライマー | 3時間以上 |
エポプレミアムシーラープライマーJY | 3時間以上 |
エポパワーシーラー | 2時間以上 |
モニエルパワープライマー | 8時間以上 |
エポパワーメタルJY | 4時間以上 |
サーモテックメタルプライマー | 4時間以上 |
サーモテックシーラー | 3時間以上 |
バンノウEPOシーラー | 2時間以上 |
HBプライマーJY-IR | 3時間以上 |
HBサイディングプライマーJY | 24時間以上 |
ダイヤワイドシーラー | 2時間以上 |
ダイヤセラ・トーシツプラス | 5時間以上 |
ダイヤアクレスフィラーダンセイ | 16時間以上 |
ナノコンボジットシーラーⅡ | 2時間以上 |
ナノコンボジットフィラーN | 16時間以上 |
リフレッシュサフェサーエポ | 3時間以上 |
マイルド浸透シーラー | 2時間以上 |
1液ノンアス用シーラー | 2時間以上 |
RMプライマー | 4時間以上 |
サーモベースプライマー | 6時間以上 |
快適サーモマイルドシーラー | 2時間以上 |
ユメロックシーラー | 4時間以上 |
ロックSBフィラー | 3時間以上 |
ハナコレクション500コート | 3時間以上 |
オーデフレッシュSi100 Ⅲ | 3時間以上 |
水性シリコンセラUV | 3時間以上 |
パーフェクトトップ | 3時間以上 |
Duflonファイン4Fセラミック | 3時間以上 |
ピュアライドUVプロテクトクリヤー | 4時間以上 |
水性サーモアイウォールSi | 3時間以上 |
パーフェクトクーラーベスト | 2時間以上 |
パーフェクトクーラーサーフ | 16時間以上 |
サーモアイ4F | 3時間以上 |
サーモアイSi | 3時間以上 |
水性シリコンベストII | 2時間以上 |
ファインシリコンベスト | 3時間以上 |
ファインパーフェクトベスト | 3時間以上 |
ファインルーフSi | 3時間以上 |
アレスアクアセラシリコン | 4時間以上 |
セラMフッソ | 4時間以上 |
アレスクールプラスウォール水性Si | 2時間以上 |
コスモシリコン | 2時間以上 |
アレスダイナミックTOP | 2時間以上 |
RSシルバーマイルドSi | 4時間以上 |
RSゴールドマイルドF | 4時間以上 |
アレスクール2液Si | 4時間以上 |
ヤネフラット | 2時間以上 |
スーパーシリコンルーフペイント | 2時間以上 |
シリコンREVO1000 | 2時間以上 |
超低汚染リファイン1000MF-IR | 4時間以上 |
スーパーSDクリヤーSi-JY | 4時間以上 |
スーパーSDクリヤーF-JY | 4時間以上 |
EC-5000PCM | 4時間以上 |
EC-5000PCM-IR | 4時間以上 |
超低汚染リファイン500MF-IR | 18時間以上 |
EC-100PCM | 4時間以上 |
シャネツトップワンSi-JY | 7時間以上 |
ダイヤスーパーセランフレックス | 2時間以上 |
ナノコンボジットW | 2時間以上 |
パワーシリコンマイルドⅡ | 4時間以上 |
快適サーモF | 16時間以上 |
ユメロック | 2時間以上 |
季節や天候でも乾燥時間は違う(雨の日は塗装は行われない)
塗料ごとに最適な乾燥時間はカタログに記載されていますが、最適な乾燥時間は季節ごとに違ってきます。
日本では春(3~5月)と秋(9~11月)は空気が乾燥する季節になりますので、カタログに記載されている乾燥時間で塗膜が形成されていきますが、梅雨の時期(6月)や台風が懸念される秋口(9月)は湿気が多くなり塗料も乾燥しずらくなります。
また冬(12月~2月)は気温が低くなるので完全乾燥までの時間は長くなります。
塗膜を乾燥させることができない状況の場合は外壁塗装は行われません。
雨上がりの日でも外壁が湿っていたり、湿気が多い日や小雨の日は乾燥出来ない日に該当します。
ちなみに塗料は気温5度以下の日、湿度85%以上の日には塗膜が形成されません。
カタログでの乾燥時間は決められた環境下での目安時間になりますから、季節や気温、地域特性、通風具合、素地の状態などを見て乾燥時間を決めていくことが大切です。
水性塗料より油性塗料のほうが、乾燥時間は早い
一般的に水性塗料とよりも油性塗料の方が乾燥時間は早くなる傾向にあります。
外壁塗装で使う塗料は主に、水性塗料と油性塗料に分けられますが、塗膜形成に及ぶ過程(乾燥時間)は若干変わります。
水性塗料は、水と樹脂と顔料が含有されていますので、水が蒸発することで塗膜を形成します。
油性塗料は、溶剤と樹脂と顔料が含有されていますので、溶剤が蒸発することで塗膜が形成されます。
溶剤は常温では液体ですが、揮発性が高いという特徴があるため、水よりも早く蒸発します。
ただ、水性塗料・油性塗料どちらも低温、高湿度の時は乾燥が著しく遅れてしまうのは変わりません。
乾燥時間を守らない事で起こるリスク
- クラック(ひび割れ)
- 塗膜の早期剥がれ
- 塗膜の浮き
- 気泡
- 色ムラ
特に塗膜の剥がれや浮きが乾燥時間を守らないことでよく引き起こされる事象で、しかもタチが悪いのは施工完了後には分かりにくく、不具合が目に見えて現れてくるのは1年後くらいからです。
悪質な施工であれば数週間で不具合が発生します。
また、乾燥時間を気にするあまりに1回目から2回目、2回目から3回目の間隔を空けすぎてしまえば、密着率は低下してし密着不良を引き起こします。
あくまでも適切な間隔で塗装していくことが塗膜の機能確保のために大切になってきます。
悪徳業者は乾燥時間が短い?
外壁塗装では適切な乾燥時間を守って作業を行う事が大切だという事は理解していただけたかと思いますが、いわゆる悪徳業者では乾燥時間を無視して作業が行われることもあります。
よくある事例としては、塗料を半硬化乾燥させずに次の塗装をして工期を短縮させるやり口です。
業者からしたら、工期が短縮することによって次の現場へ行けるので都合がよくなります。
また、塗料の硬化条件(原則5度以下、湿度80%では塗装作業は行わない)を無視して作業をして早く仕上げようとする業者もいます。
外壁塗装では、原則的に1日1工程とされているのも適切な乾燥時間を守るためです。
そのため、どんなに早く外壁塗装工事を行っても工期は6日は必要です。
あまりに早いスケジュールを提出されたら悪徳業者の疑いもありますので業者を変えるなどの対処が賢明です。
乾燥時間を守ることがその後の仕上がりに大きく影響する
適切な乾燥時間を守らないと、塗膜の剥がれや浮きなどの不具合が生じやすくなります。
ただし、高湿度の時は乾燥が著しく遅れてしまうのは変わりません。
外壁塗装の乾燥時間は、塗料・季節・種類(水性・油性)によって違ってきますので、必ずカタログ記載の『塗り重ね乾燥時間』を参考にすることが大切です。
塗料はデリケートで、適切な乾燥時間を守らなければ必ずと言っていいほど不具合が発生します。
施主としては早く外壁塗装を終わらせてほしいとは思いますが、1日1工程で、気候や天候によっては工期が遅れることもありますが、業者を急かすことなく仕上がりを待つようにしましょう。
一般的な外壁塗装業者では、だいたい10日~14日ほど工期をとって作業にあたります。
くれぐれも無理な工期を提出してくる業者には気を付けるようにしましょう。
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