外壁塗装のよくあるトラブルの一つとして、施工後の仕上がりイメージ(色)が希望したものと違ったというものがあります。
原因としては、色の面積効果をよく理解していなかったり、色見本帳だけで色を決めてしまったなど業者側と施主側で意思疎通がうまく図られていないことが主な原因です。
発注した色と違う色で塗装されてしまった時の対処方法と原因について詳しく紹介していきます。
記事サマリー
色トラブルは大きく2つに分類される
外壁塗装において色におけるトラブルはよく起きるトラブルの一つです。
色のトラブルは大きく2つに分類することができます。
- イメージしていた色と違う
- 全く違う色で塗装されてしまった
イメージしていた色と違うのは、色の面積効果(小さい面積よりも大きい面積のほうが明るく見える)が原因のことが多く、業者に非はありません。
このページでは発注した色と全く違う色に塗装されてしまうというトラブル対処の仕方について紹介します。
なぜ発注した色と違う色を塗装されるトラブルが起きるのか
このような発注した色と違うというトラブルがなぜ起きるのかと言えば、これは外壁塗装業界の下請け制度に原因があります。
外壁塗装業者では営業のみを行い施工部隊を持っていない業者も多く、このような業者は提携している協力会社へ外壁塗装を外注するわけですが、この提携している施工業者がさらに協力会社へ外注することもあります。
施工の外注自体は悪いことではありませんが、このように施主と施工業者の距離が遠くなることで当初の打ち合わせ内容と変わって現場に伝わりトラブルへと発展する可能性が高くなります。
営業も販売も一貫して行っている業者でお願いすることで色トラブルのリスクは格段に下がりますので、是非とも施工も自社で一貫して行っている業者に相談することをおすすめします。
営業と施工業者が変わる場合には、施工業者の実績もよく確認してください。
まずは契約書を確認する
発注した色と違う色で塗装されてしまったらまずは契約書を確認しましょう。
契約書に発注した色番号などの記載が残っていれば、業者側の瑕疵になりますので、高確率で無料で塗りなおしに応じてくれるはずです。
また、民法でも業者側に瑕疵が認められた場合には補修を請求できるという項目があります。
1.仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。
2.注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第533条の規定を準用する。
民法634条
契約書に色番号などが記載されていなかったら、打ち合わせ段階の見積書や業者とのメールやFAXも業者の瑕疵を認められる材料になりますので、それらを集めて業者側に塗り直しの要望を伝えるようにしましょう。
紛争処理支援センターへ相談する
大抵の業者は瑕疵判断材料(契約書や見積書など)があれば塗り直しに無償で応じてくれますが、まれに白を切って応じてくれない業者もいます。
または、瑕疵判断材料が見つからない場合には業者の瑕疵を証明するのは難しくなります。
このような場合には、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの『住まいダイヤル』へ相談することをおすすめします。
『住まいダイヤル』では全国の52の弁護士会と連携して実施している弁護士と建築士による対面相談を無料で利用することができます。
住まいるダイヤル
URL:http://www.chord.or.jp/
対応時間:10:00~17:00(土、日、祝休日、年末年始をのぞく)
TEL:0570-016-100(全国どこからでも市内料金で利用できます)
色は色番号で決めることでトラブルは減る
業者との色打ち合わせは、感覚的な色ではなくしっかりと色見本帳を使って最終的には色番号で指定して決めるようにすると万が一の時の発注ミスも少なくなります。
外壁塗装で人気の色でベージュがありますが、日本ペイントの色見本帳でもベージュ系の色は10種類以上もあることが分かります。
『白に近いベージュ』などと発注すると、ピンク系のベージュが選択されイメージと違ったなどとトラブルへと発展してしまうこともあります。
また、色の打ち合わせは部屋の中で行われることが多いかと思いますが、色は太陽光の下で確認すると全く違った色に見えるものです。
色見本帳で色を決めたらできるだけ太陽光の下でも色を確認するようにしましょう。
色トラブルを避けるために業者とよく打ち合わせしましょう
業者ミスによるものもあれば、業者との食い違いによって起きるケースもあります。
施主と施工業者の距離が遠くなることでトラブルへと発展する可能性が高くなります。
- 色番号で発注する
- 契約書に色番号を記載する
- 実績のある優良な業者にお願いする
発注した外壁の色と違う色で塗装されてしまった際は契約書を確認して業者側の瑕疵材料を持って塗り直しの要望しましょう。
塗り直しに応じてくれなかったら紛争処理支援センターへ相談して専門家のアドバイスを仰ぎましょう。
ほとんどの業者は塗り直しに応じてくれるかと思いますが、出来ればトラブルは避けたいものです。
以上3点に気を付ければ色トラブルのリスクは格段に減るかと思ります。
トラブルの原因はあいまいな発注にあることも少なくありません。
色トラブルは外壁塗装では本当によくあるトラブルになりますので、注意して業者と打ち合わせるようにしましょう。
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