記事サマリー
シックハウス症候群とは
シックハウス症候群とは、建物の中で生じる体調不良のことで、主な症状としては目がショボショボする、頭が痛い、のどが痛い、息苦しいなどがあります。
原因としては、壁や家具などに塗られている塗料に含まれるホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、トルエンなどの有機溶剤や防腐剤(揮発性有機化合物)、またはカビや微生物などの室内空気汚染等もシックハウス症候群の原因物質とされています。
特に夏場の暑い季節は、外壁塗装によって閉め切った状態が続くため室内が高濃度の化学物質で満たされてしまうので注意が必要な季節です。
厚生労働省が発表する室内濃度指針値の一覧で細かくシックハウス症候群の原因物質をあげてくれていますが、外壁塗装に関係がある物質としては『ホルムアルデヒド』『アセトアルデヒド』『トルエン』です。
現在、外壁塗装で使用される塗料はシックハウス症候群への配慮もされている塗料が多いとはいえ、実際にシックハウス症候群の症状が出る方もいます。
また、最近の住宅は断熱・気密化住宅(閉鎖型住宅)が主流で隙間が少なく、外との換気量が減少していることも原因の一つと言われています。
安全に外壁塗装を施すために、シックハウス症候群への対策を紹介します。
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シックハウス症候群対策方法
外壁塗装でシックハウス症候群の症状を発生させないための対策としては4つの方法があります。
※必ずシックハウス症候群が発生しないという意味ではなく、あくまでもシックハウス症候群のリスクを軽減させるという意味での対策です。
ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆塗料を選ぶ
建築材料の区分 | ホルムアルデヒドの放散基準 | JIS、JASなどの表示記号 |
---|---|---|
建築基準法の規制対象外 | 最大値0.4mg/L 平均値0.3mg/L | F☆☆☆☆ |
第3種ホルムアルデヒド発散建築材料 | 最大値0.7mg/L 平均値0.5mg/L | F☆☆☆ |
第2種ホルムアルデヒド発散建築材料 | 最大値2.1mg/L 平均値1.5mg/L | F☆☆ |
第1種ホルムアルデヒド発散建築材料 | 最大値7.0mg/L 平均値5.0mg/L | F☆ |
塗料には樹脂の原料としてホルムアルデヒドが含有されていますが、建築基準法第28条の2で建物内で使われる部材へのホルムアルデヒドの量に制限(ホルムアルデヒド放散等級)が定められています。
外壁塗装で使われる塗料にもホルムアルデヒド放散等級があり、放散等級は☆の数が1~4でランク付けされていて、4が最もホルムアルデヒドの量が少ないことを表します。
塗料の仕様ページにF☆☆☆☆(フォースター)という記載がある塗料を選ぶことでシックハウス症候群のリスク対策に繋がります。
また、喫煙者がいる住宅ではホルムアルデヒドの量も多いという結果もあります。
外壁塗装によるシックハウス症候群を予防することはもちろん大切ではありますが、自宅で対策できることは行っておきましょう。
水性塗料を選ぶ
塗料には油性塗料と水性塗料に分類することができますが、油性塗料は揮発性有機化合物である溶剤(ラッカーうすめ液、ペイントうすめ液、2液性ウレタンニスなど)で希釈して使うため、塗装中にはシンナーの臭いが発生してしまいます。
反面、水性塗料では水で希釈するのでシックハウス症候群への対策です。
ただ、水性塗料は油性塗料に比べて耐久性に劣るというデメリットもありますので、きちんとメリット・デメリットの確認は行うようにしましょう。
VOCフリー塗料を選ぶ
シックハウス症候群対応塗料として揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)が含まれていないVOCフリー塗料、低VOC塗料などもあります。
VOCフリー塗料はまさに最近の風潮にマッチした塗料と言えますが、まだまだ新しい塗料であるため種類が少なく色味やつやの在り方などの選択肢が一般的な塗料と比較すると少ないのがデメリットです。
ちなみにVOCフリー、もしくはVOCゼロと表記のある塗料でも揮発性有機化合物は含まれていて、含有量が0.01%(100ppm)未満であればフリー、ゼロの表記が社団法人日本塗料工業会のゼロVOC塗料の定義とされています。
こまめに換気をする
外壁塗装では窓にはマスキングテープなどで養生されていて閉めっきりになってしまっています。
このため部屋に塗料の臭いが充満してシックハウス症候群の症状が発生してしまいます
こまめに換気するために、塗装が始まる打ち合わせ段階で開けたい窓を指定しておくことで対応してもらえる業者もいます。
また、ウェザーカバーが付いている換気扇であれば稼働させることが可能です。
ちなみに外壁塗装では窓の養生が必要になる工程は『高圧洗浄』と『塗装工程(下塗り・中塗り・上塗り)』での作業になり、それ以外の工程では窓を開けても支障はありません。
あとは業者が対応してくれるかどうかだけですので、窓が開けられるか確認しておきましょう。
シックハウス症候群の相談窓口
万が一シックハウス症候群が発症してしまったら、まず専門医の診察を受けることをおすすめします。
特に頑固な頭痛には脳神経化を受診するようにしましょう。
子供では喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が出た時には、小児科や皮膚科の先生に相談しましょう。
あまりに多くの症状が出ていたり、症状について納得できる結果や説明が得られない場合には、シックハウスに関する専門医を捜す必要があります。
まだ少ないですが、シックハウスのための市民団体も各地にでき始めていますので、最寄りの専門医を受診するようにしましょう。
関東地方であれば、クリーンルームを持つ北里研究所病院がシックハウス症候群に関しての権威です。
外壁塗装ではそれほどシックハウス症候群を気にしなくてよい
主な症状は、目がショボショボする、頭が痛い、のどが痛い、息苦しいなどがあります。
喫煙者がいる住宅では特に注意しましょう。
室外で行う外壁塗装の作業では揮発性有機化合物も空気中に溶けて消えていくため、それほどシックハウス症候群を気にしなくても良いというのが私の見解です。
ただ、もともと臭いに敏感な方などのように化学物質過敏症の方もいらっしゃいますので、そのような方は今回紹介した対策でシックハウス症候群へのリスクを極力下げるように努めることをおすすめします。
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