外壁・屋根塗装の必須工程としてあげられる作業に高圧洗浄による汚れ落としがあります。
そして、この高圧洗浄の作業を丸一日(6~7時間)行う事になり、その際に使用する水道代は施主の自腹です。
一日中、水道が出しっぱなしになるので心配される方もいらっしゃいますが、高圧洗浄にかかる水道代は洗浄をかける平米数にもよりますがだいたい1,000円程度です。
例えば、1分間に15ℓ(リットル)の水を噴射することができる洗浄機だったとして、1時間で900ℓ、7時間で6,300ℓ使用することです。
水道代の計算にはm3(立法メートル・立米(りゅうべい))という単位で表し、1m3は1,000ℓです。
これを東京都水道局の料金表に当てはめると、だいたい1,026円(163円×6.3ℓ)~1,272円(202円×6.3ℓ)です。
高圧洗浄を行う日は工期のうちの一日になりますので、単純に1,000円程度はいつもの水道料金よりも多くなると考えておきましょう。
記事サマリー
高圧洗浄とは
- 足場・飛散防止ネットの設置
- 外壁の高圧洗浄
- 素地調整
- 外壁の養生
- 下塗り・中塗り・上塗り
- 確認・検品
- 足場解体・清掃
上記の7点を総合して外壁塗装を行うということになり、高圧洗浄は必須作業です。
高圧洗浄とは、高圧力の水を外壁に噴射させることによって、ブラシなどでは落とすことができない外壁にこびりついたカビやコケを剥がすことができます。
ガンセットやノズルを装着して使用します。
外壁塗装の下準備として、高圧洗浄の作業はとても大切です。
高圧洗浄の時の水道が出しっぱなしの理由
高圧洗浄を行う時には50ℓポリバケツに水を貯めて行います。
業者が使う高圧洗浄機は市販されている電気式タイプのものではなくエンジン式の強力なタイプの物で、1分間の最大吐出水量も倍近くです。
そのため、できるだけ大きなポリバケツに水を貯めておく必要があるわけです。
そして、そのポリバケツが空にならないように水道は出しっぱなしにしているわけですね。
なぜ、最大吐出水量の多いエンジン式を使うかと言えば、最大吐出水量が多くなると高圧水が当たる面積が大きくなるので、時間効率的により短い時間でより確実に壁や屋根にこびりついた汚れを落とすことができるからです。
このように短時間で大量の水を使って洗浄していくので、水道は出しっぱなしです。
高圧洗浄の水道代を安くする方法
水道代が気になる方は止水弁の利用をしてもらえるか業者に確認するとよいでしょう。
ちなみに、優良な業者はこちらから止水弁の使用をお願いしなくても善意で行ってくれます。
このような小さな配慮が行えるかどうかでも、業者の選定を行ってもよいでしょう。
水道代は気にせず思いっきり使ってもらうことが大切
水道代を気にするあまりに『できるだけ水は使わないで下さい』などと要望するのは避けた方がよいでしょう。
塗装において、事前の下準備となる洗浄作業の役割は大きく、しっかりと汚れを落とすことで塗膜も長持ちしてくれます。
この高圧洗浄を水の節約のために、半分の時間で終わらせてしまっては、塗料が汚れによって外壁にうまく密着してくれないので早期剥がれや浮きの原因となり本末転倒な結果も招きかねません。
高圧洗浄の際の1,000円程度の水道代を気にするあまりに、本来10年の塗膜性能がある塗料が5年で剥がれてきてしまうのは建物のトータルコスト的にも高くつくことです。
むしろ水道代のことは気にせず、外壁や屋根と一緒に他の場所(外構、太陽光パネル、庭先)も洗浄してもらえるか確認して家を綺麗にしてもらいましょう。
特に太陽光パネルが設置してある建物ではパネルの洗浄により発電効率も数%向上するので、費用対効果で考えてもおすすめです。
高圧洗浄の際の注意点
外壁塗装では高圧洗浄が必須作業になるわけですが、その際の注意点が2点あります。
- 外壁を傷める可能性がある
- 近隣からクレームが入る可能性がある
外壁塗装の前にあらかじめ注意点を確認しておきましょう。
外壁を傷める可能性がある
業者が使用する洗浄機は、一般的に販売されている高圧洗浄機よりもさらに強力なエンジン式高圧洗浄機になりますが、その際の注意点があります。
それは、高圧があるがゆえに外壁を痛めてしまう可能性があるということです。
特に何十年もメンテナンスをしていない外壁の場合には、高圧洗浄をしてしまうと外壁が割れてしまうなどのリスクが生じるため、塗装によるメンテナンスではなく、カバー工法によって痛んだ外壁を剥がして、新しい外壁をその上に葺き替え(ふきかえ)工事する必要が出てきます。
特にモルタル外壁の場合にはヒビ割れを起こしているケースが多く、劣化が激しい場合には葺き替えになるケースがあります。
葺き替えになると、塗装でのメンテナンスよりも高くついてしまいますので、葺き替えになる前にメンテナンスすることが大切です。
近隣からクレームが入る可能性がある
業者が使用するエンジン式ではエンジン稼働音がうるさい可能性があり、近隣からクレームが入る可能性があります。
エンジン式高圧洗浄機でも防音型がありますので、業者に防音型の高圧洗浄機を使ってもらえるか確認するようにしましょう。
また、水しぶきが近隣宅へ飛ぶ可能性もありますので、飛散防止ネットの有無も確認しましょう。
このように騒音や水しぶきによる近隣からのクレームを防ぐためにも施工前にしっかりと近隣への挨拶を行ってくれるかも併せて確認するようにしましょう。
高圧洗浄に限らず外壁塗装では足場を組む際や、職人たちのかけ声などもあり連日少なからず騒音が発生することです。
近隣からのクレームの原因は、最初の挨拶で防げるケースがほとんどですので、業者が挨拶を行ってくれないのであれば自分が近隣へ挨拶に回ることが大切です。
悪徳業者の手口
高圧洗浄後はしっかりと乾燥させることが大切で、塗料によって乾燥時間は変わりますが一般的には24時間~48時間しっかりと乾燥させることです。
高圧洗浄後の乾燥をしっかり行わないと、塗膜の早期剥がれや、水膨れ、気泡などを引き起こすことです。
悪徳の業者だと、スケジュールの短期を目的に、高圧洗浄後の乾燥時間を短く定めるなどしてきます。
高圧洗浄と塗装を同日に行う業者には、乾燥時間の確認をするようにしましょう。
やっかいなのは、塗膜の不具合がすぐに表れない事です。
例えば、シリコン塗料の場合、正式な塗装を行えば10年程度の耐用年数がありますので、耐用年数だけ塗膜の剥がれなどが起きることはありません。
ただ、高圧洗浄後の乾燥をしっかり行わずに塗装をしても2~3年の間は塗膜の剥がれなどは起きません。
塗装後1週間程度で塗膜が剥がれてきたら施工補償によって再度塗装を行ってもらうことも可能ではありますが、2~3年になってしまうと白を切られるケースが非常に多いです。
そうならないためにも、高圧洗浄後の乾燥時間をしっかりと取る工期を提出してくれる業者を選ぶことが大切です。
高圧洗浄代無料とアピールする業者は要注意
高圧洗浄の費用相場は1平米200円程度です。
150平米で30,000円程度になるわけですが、この高圧洗浄の費用を無料にしますと営業をかけてくる業者もいます。
『無料』はとても魅力的なワードですが、このように作業工程の『割引』『無料』のワードを出してくる業者は要注意です。
外壁塗装の費用は主に以下の費用の総合で決まります。
- 足場代
- 養生
- 高圧洗浄
- 下塗り
- 中・上塗り
- 付帯部分塗装
- 諸経費
そして、悪徳業者はある工程を無料にし、別の工程にその費用を加えるなどして全体的な価格は変動させないなどの小手先な事を行い、あたかも施主にお得だと錯覚させます。
外壁塗装の見積もりで大切なのは、総合的な価格で判断することです。
高圧洗浄無料の業者が全て悪徳とは言いませんが、総合的な価格で安い、高いを決めるようにしましょう。
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無料で何度でも使えます。
外壁・屋根塗装は水道代を気にせずガンガン使って綺麗にしてもらう
外壁塗装の下準備として、高圧洗浄の作業は大切です。
優良業者はこちらから止水弁の使用をお願いしなくても善意で行ってくれます。
外壁・屋根塗装でかかる水道代はだいたい1,000円程度です。
そして水道代の節約には止水弁を使う業者を選ぶことです。
ただ、水道代に関してはあまり過敏に考えずに、それよりも一日かからずに高圧洗浄の作業が終了してしまった時には手抜きの確認もありますので、要注意です。
高圧洗浄で長年の汚れを丁寧に落としてもらうことで、その後の塗装の仕上がりも美しくなります。
仕上がりの美観のため、塗装後の塗膜性能確保のためにも高圧洗浄の作業はきちんと時間をかけて行ってもらいましょう。
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