本記事は火災保険:住宅を取り巻くさまざまなリスクを総合的に補償する住宅総合保険(日本損害保険協会)の記事を参考にしました。
日本損害保険協会火災保険
火災保険とは、火災や風災、水災、落雷などによって損害が発生した際に一定額を補償してくれる保険になります。
建物を所有する方は火災保険に加入済みかと思いますが、その火災保険を使って外壁塗装を行う方法があります。
ただ、全ての外壁塗装する建物に火災保険が適用されるわけではなく適用条件があります。
外壁塗装工事に火災保険を適用させるためにも現在の建物が火災保険の適用条件を満たしているのか確認しましょう。
また、火災保険が適用されたとして、その後の流れや保険金の計算方法なども掲載していますので参考にしていただけたらと思います。
火災保険の保険金は、契約した保険金額を上限に、実際の損害額が保険金として支払われます。
免責金額(めんせききんがく)とは、支払い保険の計算にあたって、損害の額から差し引く金額で、被保険者の自己負担となる金額です。
火災保険・助成金の有無も分かる相場算定ツール
記事サマリー
外壁塗装で火災保険を使う場合の適用条件
外壁塗装が火災保険の適用を受けるためには、経年劣化ではなく災害による被害が確認される必要があります。
災害として認められる範囲は保険会社によって若干異なりますが、大まかにまとめると以下の災害です。
ただし地震による被害で外壁に劣化症状が出た場合は火災保険では対応してくれず、地震保険へ加入しているかがポイントです。
地震被害で外壁に劣化が出た場合は自己負担で補修し、必要に応じて地震保険に加入する事をお勧めします。
外壁塗装を火災保険で適用するにあたり、一番適用させやすいのが『風災』による被害です。
風災とは、台風などの強風でモノが飛んできて家が直撃されるなどすることによって外壁や屋根が損害を被る災害をいいます。
そして、風災が適用されるのは過去3年前までの風災で修繕費用は20万円以上かかることが条件になります。
ただ、風災によって外壁に穴や傷が出来たとして、外壁塗装で修繕が可能かと言えば必ずしも修復は可能ではありませんし、そもそも見た目で外壁に被害が見当たらない建物も多くあるでしょう。
実は、火災保険の適用範囲に関しては、保険会社の選任する損害鑑定人の検査(裁量)によって決められます。
従って、穴や傷などの機能的な損害だけでなく、風災によると考えられる外壁や屋根の損傷全てが検査項目になります。
- コケが生えた屋根
- サビがあるトタン屋根
- 雨樋のチョーキング現象サビついた板金
- 外壁へのクラックが見られる
反対に、外壁の色あせ(経年劣化)や建物に太陽光発電などの新たな設備を設置したことによる不具合などは火災保険適用外となり、外壁塗装では火災保険は適用されません。
なお、店舗やマンションについても同様に条件さえ満たせば火災保険が適用されます。
店舗とマンションの助成金活用についてはそれぞれ別ページを用意していますので、そちらのページをご覧ください。
火災保険を使って外壁塗装する流れ
- 災害の影響(風災)で建物が傷んでいることを確認する
- 外壁塗装業者に相談する←ココ大事!
- 保険会社に保険申請する
- 損害鑑定人が訪問に訪れ、建物を調査する
- 調査内容に従って保険会社が審査を行う
- 審査を通過すると保険金の支払いが行われる
外壁塗装によって火災保険を使う流れは上記の6つの流れです。
保険金の支払い時期は保険会社によって変わってきますが、だいたい30日前後が目安になっています。
弊社はお客様より保険金請求書類の作成または提出いただいてからその日を含めて30日以内に、保険金をお支払いするために必要となる項目の確認を終えて、保険金をお支払いします。
保険金のお支払い時期 | あいおいニッセイ同和普通保険約款
火災保険の申請自体は個人でも申請可能ですが、修繕にかかる費用を算出したり、損害鑑定人との交渉で塗装業者がいてくれたほうが安心ですので、保険申請する前に塗装業者を選ぶようにしましょう。
損害鑑定人(正式名称は損害保険登録鑑定人)とは、一般社団法人日本損害保険協会が発行する認定資格者に付与される資格です。
日本損害保険協会の発行する損害鑑定人では、鑑定の基準は設けられていません。
そのため、損害鑑定人との交渉によって保険金が上がったりもします。
保険金の申請には損害箇所写真や図面なども必要になりますが、それらも代行してくれる業者がおすすめです。
業者選びにおいては、過去の実績として外壁塗装を火災保険適用させたことがある業者を選ぶようにしましょう。
外壁塗装で支払われる火災保険料の計算方法は結構やっかい
損害額(外壁塗装の見積もり価格)×保険金額(保険金上限額)/保険価額(建物や家財などの現在の価値)×80%
火災保険の保険金計算は少々やっかいで、実際には加入している保険会社のサービス内容や免責金額(自己負担額)、現在の保険価額によって支払われる保険金は変わってきます。
従って、ここでは保険金の支払い例として紹介しますが、全ての建物に該当する計算方法でないことはご了承ください。
なお、火災保険を適用させて外壁塗装の価格が半額以下になったとの声もありましたので、上手く火災保険を使う事ができれば大きな節約にもつながる可能性がありますね。
火災保険は使ってもデメリットなし!翌年の保険料は上がらない
損害保険金のお支払額が1回の事故で保険金額の80%を超えた場合は、ご契約は損害発生時に終了します。なお、80%を超えない限り、保険金のお支払いが何回あっても保険金額は減額されずにご契約は満期日まで有効です。
セコム安心マイホーム火災保険ご契約のしおり・約款11ページ
火災保険の間違った認識の一つとして、火災保険を使ったら翌年からの保険料が上がるというのがありますが、結論から言えば火災保険はいくら使ってもデメリットはなく、翌年の保険料も上がる事はありません。
ただ、建物が保険加入時よりも劣化していて保険会社が定める危険増加の割合が増えた場合は、書面にて保険料変更の案内によってお知らせがあります。
よって、火災保険の適用条件範囲内の劣化具合であれば、外壁塗装・屋根塗装工事でも火災保険が使えます。
外壁塗装工事に火災保険を使う事によるデメリットはありません。
屋根塗装は火災保険が使える可能性が高い
- 瓦のひび・割れ
- 瓦が強風で飛ばされた
- 屋根上のアンテナが倒れている
外壁塗装と一緒に屋根塗装も検討される方もいらっしゃるかと思いますが、屋根塗装に関しては火災保険が適用される可能性は高いです。
その理由は、外壁に比べてひょうや雪、強風などで被害を受けやすいためです。
だいたい8割程度の建物で火災保険の対象となっていると言っていいかもしれません。
もちろん全ての屋根の劣化症状が火災保険で修繕可能なわけではなく、単純な色あせやカビの付着などで火災保険は使えません。
あくまでもひびや割れ、瓦が飛ばされたなどの実害があった時に火災保険を適用することができます。
外壁塗装に火災保険が適用されなくても他の箇所で適用になることもある
前述したように、火災保険では火災や風災、水災、落雷などによって損害を被った際に支払われる保険金になりますので、損害鑑定人の調査結果によっては審査が下りずに保険金がもらえないということも出てきます。
ただ、外壁塗装では保険金が下りなくても例えば、雪や雨によって雨樋が変形、もしくは壊れてしまっていることや台風の影響で屋根瓦が壊れているなどの状況であれば火災保険の適用範囲になりますから、外壁塗装の一緒に火災保険を使って直してしまうことをおすすめします。
現在の修繕箇所を外壁塗装と一緒に行ってしまうことで、補修箇所を個別に修繕していくとそれぞれに足場代がかかってしまうことや、いちいち業者と打ち合わせをしなくてはいけないなどの経費と時間の短縮効果がのぞめるためです。
特に10年以上建物に手入れをしてない状況だと、台風後に雨漏りなどの被害が発生することが多くなっています。
現在、修繕箇所がある際にはなるべく早めに外壁塗装・屋根塗装と一緒に火災保険を使って修繕してしまいましょう。
特に台風後に建物の修繕箇所がひどくなり、雨漏りなどに発展してからリフォームに取り掛かる方もいらっしゃいますが、一度雨漏りが発生すると基礎の腐食やシロアリの原因にもなりかねませんので、被害の状況が見える前に修繕することをおすすめします。
無理やり火災保険を使おうとする保険金詐欺には注意
要件条件に当てはまらないのに無理して当てはまるように共謀して見積書作成などをすると、保険金詐欺などを疑われることとなるでしょう。
弁護士ドットコム
また、業者が積極的に関与すると、業者がお年寄りを騙して金員を取得しようとしているのではないかと疑われる可能性もあります。
業者の中には、建物の被害を無理やりこじつけて火災保険を適用させようとする業者もいますが、これは保険金詐欺(詐欺罪(刑法第246条))に該当する可能性もあるので注意が必要です。
極端なことを言えば、子供が遊んでいて雨樋が壊れたからと言ってこじつけて火災保険でなんとかすることは出来ないということです。
火災保険が適用されるのはあくまでも、災害によって被害が生じた可能性のある建物で、保険金がその修繕にあてられる場合になります。
2022年10月から火災保険の規定が大幅に変更
- 保険期間が最長10年から5年に変更
- 復旧義務等改定
- 築年数別料率の較差拡大
- 免責金額の引き上げ
- 事故時諸費用特約の対象範囲縮小
2022年10月より火災保険の規定が大きく変更になりました。
変更になった内容は上記5点です。
特に『復旧義務等改定』が外壁塗装と火災保険には関わってきます。
本来、火災保険は火災や風災害などで被害に遭った建物を対象にした保険ですが、修繕費を水増し請求する悪質業者が増えたことで、2022年10月新規受付分より業者からの見積書だけで保険金を請求することが出来なくなりました。
また、明らかに高いリフォーム費用の見積もりも近隣相場までが火災保険の対象です。
これを復旧義務等の改定と呼びます。
ちなみに以前は、被災者への迅速な補償が優先されており、修繕費の見積書だけでも保険金請求ができていました。
現在は、外壁塗装の見積書に加えて復旧したことが確認できる書類(復旧箇所の写真等)も必要です。
なお、保険の見直しを検討している方は保険専門Q&Aサービスの【元代理店経営者厳選!】無料保険相談おすすめ比較ランキング10選ページにて、代理店を比較していますので、そちらも参考にご覧ください。
損害保険会社の問い合わせ窓口一覧
火災保険は、お住まいの契約ごとにそれぞれ内容が違います。
下記一覧は、損害保険会社の問い合わせ窓口です。
タップすると各社の問い合わせ窓口ページに移動しますので、保険証券などを伝えて自宅の保険の種類と内容を確認しておきましょう。
火災保険を使うためのポイント
外壁塗装の際に適用される火災保険は風災適用となるケースが多いです。
火災保険を使っても翌年の料金も変わりません。
- 風災による建物の劣化が見られる
- 自分で損害鑑定人と交渉せずに、火災保険での実績がある業者にお願いする
- 外壁塗装のみでなく、建物の修繕を火災保険を使えないか検討する
- 2022年10月より火災保険の規定が大きく変更される
外壁塗装・屋根塗装検討時には、見た目で不具合が発生していないからと諦めずに必ず業者に相談するようにしましょう。
その際は、火災保険申請に慣れていない業者では保険会社(損害鑑定人)への対応で不備が指摘される可能性ありますので、外壁塗装に火災保険を適用させたい方は火災保険の申請実績の豊富な業者を選定するようにしてください。
また、外壁塗装は地元業者に任せて火災保険申請はプロである火災保険申請サポート『リペマ』にお願いするのも有効です。
特に2022年10月より見積書だけで保険金請求できなくなるなど(復旧義務などの改定)、適用条件が上がっていますので、今後はより一層の業者選定が大切になってきます。
個人ひとりひとりが納得できる保険選びは、オンライン無料保険相談も行っている「コのほけん!」も使って、保険選びしてみてください。
火災保険と一緒に外壁塗装の助成金をもらう条件を満たしている方は、助成金も上手に使いましょう。
火災保険が使えるかどうかの現地調査や見積もり依頼は無料で行ってくれます。
一度、火災保険が適用されるか確認してから外壁塗装をしてもらってください。
#外壁塗装助成金 #屋根塗装助成金 #外壁塗装補助金 #屋根塗装補助金 #火災保険 #リフォーム